SH4762 金融庁、「インサイダー取引規制に関するQ&A」に「応用編 (問6~問8)」を新設 齋藤宏一/早瀨孝広/秋野博香(2024/01/11)

組織法務金商法違反対応(インサイダー等)

金融庁、「インサイダー取引規制に関するQ&A」に「応用編 (問6~問8)」を新設

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 齋 藤 宏 一

弁護士 早 瀨 孝 広

弁護士 秋 野 博 香

 

1 はじめに

 金融庁と証券取引等監視委員会は、2023年12月8日、知る前契約・計画の要件および株式報酬にかかるインサイダー取引規制の適用に関し、「インサイダー取引規制に関するQ&A」[1](以下「Q&A」という。)に「応用編(問6~問8)」を追加した。

 Q&Aは、2008年11月18日に公表されたものであるが、2019年7月29日にはインサイダー取引に関する基本事項を解説した「基礎編(問1~問7)」が追加され、元々存在していたQ&Aのタイトルを「応用編(問1~問5)」とする改訂がなされていた。今回のQ&Aの改訂は、この「応用編(問1~問5)」に追加する形で、「応用編(問6~問8)」として、知る前契約・計画の中止等に関する法令解釈の指針等が示されている。

 

2 インサイダー取引規制に関するQ&Aの内容

⑴ Q&Aの概要

 インサイダー取引規制に関するQ&Aは、基礎編および応用編から構成されている。基礎編では、主に投資経験・知識の少ない者向けにインサイダー取引の基本的項目が平易に解説されており、応用編では、主に実務上問題となり得る論点に関する法令解釈の指針等が示されている。

⑵ Q&A応用編(問6~問8)の概説

 今回のQ&Aの改定により追加されたQ&A応用編(問6~問8)の質問と回答の概要は下表のとおりである。

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(さいとう・こういち)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。「日本企業を元気にする」ことをミッションとし、国内・グローバル案件を問わず、インセンティブ報酬案件を数多く手掛け、日本におけるこの分野の第一人者。また、サステナビリティ法務、特にビジネスと人権に関連する案件の助言も行っている。1999年東京大学法学部卒、2008年ハーバード・ロースクール修士課程(L.L.M.)修了

 

(はやせ・たかひろ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2009年早稲田大学大学院法務研究科修了。2010年弁護士登録(第二東京)。2017年ハーバード・ロースクール(LLM)修了、2017-2018年米国Pillsbury Winthrop Shaw Pittman法律事務所(ロサンゼルス)勤務。2018年ニューヨーク州弁護士登録。国内及びグローバルのインセンティブ報酬の導入・運用等を含むコーポレート案件を中心に取り扱う。

 

(あきの・ひろか)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2018年慶應義塾大学法学部卒業。2019年東京大学法科大学院中退。2020年弁護士登録(第一東京弁護士会)。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
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