SH4866 経産省、「攻撃技術情報等の取扱いに関するモデル条文」等の確定版を公表 足立理(2024/03/26)

取引法務営業秘密・機密情報管理個人情報保護法

経産省、「攻撃技術情報等の取扱いに関するモデル条文」
等の確定版を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 足 立   理

 

1 はじめに

 昨今、サイバー攻撃が高度化する中、攻撃の全容の把握、被害の拡大の防止等の観点から、関係者間におけるサイバー攻撃に関する情報共有は重要な課題となっている。経済産業省では、被害会社自身による情報共有ではなく、被害拡大防止に資するセキュリティベンダまたは非営利専門機関[1](以下、総称して、「専門組織」という。)を通じた情報共有を促進するための必要事項の検討を行い、2023年11月22日には、「サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会最終報告書」を[2]、2024年3月11日には、専門組織として取るべき具体的な方針について整理した「攻撃技術情報の取扱い・活用手引き」(以下「本手引き」という。)および「秘密保持契約に盛り込むべき攻撃技術情報等の取扱いに関するモデル条文」(以下「本モデル条文解説」という。)の確定版[3]を、それぞれ公表した[4]

 本稿では、本手引き記載のユースケースを題材として、ユーザー(被害会社)・セキュリティベンダ間で、インシデント発生時の外部連携等を踏まえた秘密保持義務に関する合意が必要とされる背景、および、本モデル条文解説で示されたモデル条文(以下「本モデル条文」という。)の内容の一部について概観する。

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(あだち・まこと)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2014年東京大学法学部卒業。2016年東京大学法科大学院修了。2017年弁護士登録。

 

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>

1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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〒100-6315 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号丸の内ビルディング15階 電話 03-3214-6205(代表)

 

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