SH5006 「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案」の可決・成立および公布　井上乾介／中山希／伊藤雄太（2024/07/05）

「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案」の
可決・成立および公布

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士・カリフォルニア州弁護士　井　上　乾　介

弁護士　中　山　　　希

弁護士　伊　藤　雄　太

 

１　はじめに

　2024年3月1日、「消費生活用製品安全法等^[1]の一部を改正する法律案」（以下「改正法」という。）が国会に提出され^[2]、2024年5月30日に衆議院で可決、同年6月19日に参議院で可決・成立し、^[3]同月26日に公布された。^[4]

　本稿では、これまでの議論^[5]のまとめとして、改正法の概要を整理する。

 

２　改正法の概要

 ⑴　インターネット取引の拡大への対応（消安法、ガス事業法、電安法、液石法）

 　インターネット取引の拡大への対応としての改正項目と概要は以下のとおりである。

 

項　目	概　要
海外から直接販売をする事業者の規制	海外事業者が取引DPF[6]を利用するなどして国内の輸入事業者を介さず国内消費者に直接特定の製品を販売する場合、当該海外事業者を「特定輸入事業者」[7]として、消費生活用製品安全法等において届出を行える主体として規定[8] 「輸入する行為」に、外国にある者が外国から日本国内に他人をして持ち込ませ、一般消費者に引き取らせる行為を含めた[9] 規制の執行担保のため、当該海外事業者に対し、日本国内における責任者として「国内管理人」の選任を求める[10]
インターネットモール等を通じて販売される製品への対応	主務大臣は、取引DPFにおいて提供される消費生活用製品について、国内消費者に危険が及ぶおそれがあると認められ、かつ、その製品の出品者によってリコール等の必要な措置が講じられることが期待できないときは、取引DPF提供者に対し、当該製品の出品削除を要請できる等の措置を講ずる[11]
届出事項の公表制度の創設	届出事業者の氏名や特定製品の型式の区分、国内管理人の氏名等を公表する制度を創設する[12]
法令等違反行為者の公表制度の創設	法律や法律に基づく命令等に違反する行為を行った者の氏名等について、公表することができる制度を創設する[13]

 

⑵　玩具等の子供用の製品の安全確保への対応（消安法）

　玩具等の子供用の製品の安全確保への対応としての改正項目と概要は、以下のとおりである。

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（いのうえ・けんすけ）

アンダーソン・毛利・友常法律事務所　スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録（東京弁護士会）。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール（LLM）修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。

 

（なかやま・のぞみ）

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2015年東京大学法学部卒業。2017年早稲田大学法科大学院卒業。2018年弁護士登録（第一東京弁護士会）。2021年10月から2023年11月まで経済産業省ヘルスケア産業課に出向し、医療分野における個人情報の取扱いにかかるルールの策定等に携わる。

 

（いとう・ゆうた）

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2017年東京大学法学部卒業。2019年東京大学法科大学院卒業。2020年弁護士登録（第一東京弁護士会）。

 

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