SH5019 経産省、「第1回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 事業再構築小委員会」を開催 四十山千代子/関彩香(2024/07/18)

倒産・事業再生

経産省、「第1回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会
事業再構築小委員会」を開催

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 四十山 千代子

弁護士 関   彩 香

 

1 はじめに

 経済産業省は、多数決による金融債務の整理を可能とする法制(いわゆる多数決による私的整理。以下「事業再構築法制」という。)の整備の検討のため、産業構造審議会の経済産業政策新機軸部会の下に「事業再構築小委員会」を設置し(以下「本小委員会」という。)、2024年6月28日、第1回本小委員会(以下「第1回本小委員会」という。)を開催した[1]

 本稿では、本小委員会設置の目的および第1回本小委員会における議論の概要等を紹介する。

 

2 本小委員会設置の目的

 産業構造審議会の経済産業政策新機軸部会の第3次中間整理(案)においては、2040年頃に向けた経済産業の強化策が示されている[2]。その中において、新陳代謝の促進のため、多数決による金融債務の整理を認める私的整理法制の検討を行うことが明記されており、かかる検討のため、本小委員会が設置された[3]

 近時、債務状況の悪化が日本企業の事業活動の足かせとなっている。こうした経済社会情勢の動向を受け、経済的に窮境に陥るおそれがある事業者が早期かつ迅速な事業再構築に取り組める制度基盤を整備し、経済の新陳代謝機能を強化しておくことが重要であるが、既存の準則型私的整理による債務整理は、商取引に影響を与えないことから事業価値毀損を回避することができる一方で、全対象債権者の同意を要する点が事業再構築のさらなる円滑化に向けた課題であると指摘されてきた。

 このため、すでに内閣官房・新しい資本主義実現会議の下の「新たな事業再構築のための私的整理法制検討分科会」(以下「内閣官房分科会」という。)[4]において、多数決により金融債務の減額を容易にする事業再構築法制の検討が進められてきた。本小委員会においては、内閣官房分科会での議論等も踏まえて、事業再構築法制のさらなる具体化に向けて必要な論点・方策について検討を行うものである[5]

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(よそやま・ちよこ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル(弁護士)。
2000年弁護士登録。2016年6月~2023年9月金融機関にて倒産再生案件に従事。事業再生研究機構常務理事。事業再生実務家協会常議員。2024年度東京弁護士会倒産法部副部長。債務者、債権者、管財人など多様な立場から事業再生・倒産分野の案件を取り扱う。

 

(せき・あやか)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト(弁護士、ニューヨーク州法弁護士)。
2010年慶応義塾大学法学部卒業。2012年慶應義塾大学法科大学院卒業。2020年米国University of Chicago Law School(LLM)修了。2023年6月~2024年6月預金保険機構出向。様々なステークホルダーの立場から事業再生・倒産手続に関与。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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