SH5189 東京都、カスタマーハラスメント防止ガイドライン等検討会議(第2回) 糟谷昇平(2024/11/12)

そのほか労働法

東京都、カスタマーハラスメント防止ガイドライン等検討会議
(第2回)

岩田合同法律事務所

弁護士 糟 谷 昇 平

 

1 はじめに

 東京都は、2024年10月28日、カスタマーハラスメント防止ガイドライン等検討会議を開催し、「カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)(検討会議案)」[1](以下「本ガイドライン案」という。)及び「各団体共通マニュアル(素案)」[2]の審議を行った。

 カスタマー・ハラスメントについては、厚生労働省が2022年2月25日に「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」[3]を公表し、カスタマー・ハラスメント対策の基本的な枠組みを示していたものの、当該マニュアル自体はカスタマー・ハラスメントを禁止するものではなく、法的な拘束力を持つものではなかった。かかる状況の中、東京都では、2024年10月4日、全国で初めて、カスタマー・ハラスメントを禁止し、事業者等にカスタマー・ハラスメントの防止等の責務を課す条例(東京都カスタマー・ハラスメント防止条例。以下「本条例」という。)が成立し、同条例は2025年4月1日に施行される予定である。

 本ガイドライン案は、本条例の考え方や運用のあり方を定める「指針」(本条例第11条第1項)の素案に当たるものであり、

  1. ① カスタマー・ハラスメントの内容に関する事項
  2. ② 顧客等、就業者及び事業者の責務に関する事項
  3. ③ 都の施策に関する事項
  4. ④ 事業者の取組に関する事項
  5. ⑤ その他カスタマー・ハラスメントを防止するために必要な事項

について定められている。本稿では、上記①の事項、並びに②及び④の事項のうち事業者に関する事項の概要について紹介する。

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(かすや・しょうへい)

岩田合同法律事務所弁護士。2017年一橋大学法学部卒業、2019年早稲田大学大学院法務研究科修了。2020年弁護士登録。会社法、金融商品取引法、M&A案件、事業再生・倒産案件、訴訟案件等を中心に、企業法務全般に関する法的助言を幅広く取り扱う。

 

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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東京都、カスタマーハラスメント防止ガイドライン等検討会議(第2回)資料〔ガイドライン案、業界団体共通マニュアル案について審議〕
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/plan/kasuhara_kaigi/02/index.html
○資料3 カスタマー・ハラスメントの防止に関する(ガイドライン)(検討会議案)
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/plan/jimukyokushiryou3_gaidorainn2.pdf
○資料4 各団体共通マニュアル(素案)https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/plan/jimukyokushiryou4_gaidorainn2.pdf

 

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