SH5315 法務省、「『早期の事業再生の円滑化に関する新制度』の位置付け等に関する検討会 取りまとめ(案)」を公表 岩本圭矢(2025/02/13)

取引法務倒産・事業再生

法務省、「『早期の事業再生の円滑化に関する新制度』の
位置付け等に関する検討会 取りまとめ(案)」を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 岩 本 圭 矢

 

1 はじめに

 経済産業省の産業構造審議会・経済産業政策新機軸部会・事業再構築小委員会(以下「本小委員会」という。)では、現在、倒産前の状態にある事業者が抱える金融債務の整理を迅速に行うことで、早期に事業再生を円滑に行う制度(以下「新事業再生制度」という。)について検討が進められており、本小委員会による2024年12月付け「産業構造審議会経済産業政策新機軸部会事業再構築小委員会 報告書(案)-早期での事業再生の円滑化に向けて-」[1](以下「本報告書案」という。)は現在パブリックコメントを行っている。

 この新事業再生制度について、法務省の「早期の事業再生の円滑化に関する新制度」の位置付け等に関する検討会(以下「本検討会」という。)では、既に存在する法的倒産手続や事業再生ADRとの関係性や新制度の位置づけを明らかにするための検討が重ねられており、今般、取りまとめ案(以下「本取りまとめ案」という。)の公表に至った。

 本稿では、本取りまとめ案において検討されている新事業再生制度の概要を紹介するとともに、新事業再生制度と従前の法的倒産鉄続や事業再生ADRとの関係性を紹介する。

 

2 新事業再生制度の概要[2]について

  新事業再生制度は、倒産前段階にある企業について、直接の商取引に影響しない金融債務を対象とし、公平中立な第三者機関(指定法人)や裁判所が関与して手続を行うことで、手続の迅速性・透明性・公平性を担保しつつ、早期の段階における事業再生を円滑に行うことを目的としている。

この記事はプレミアム向け有料記事です
続きはログインしてご覧ください


 

(いわもと・よしや)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2014年九州大学法学部卒業。2016年九州大学法科大学院終了。2018年裁判官に任官し、破産・執行・保全を含む民事事件等を担当。2023年弁護士登録。コーポレート分野、株主総会対応など、企業法務全般を取り扱う。

 

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

<連絡先>
〒100-6315 
東京都千代田区丸の内二丁目4番1号丸の内ビルディング15階 
電話 03-3214-6205(代表)

 


法務省、「早期の事業再生の円滑化に関する新制度」の位置付け等に関する検討会(第3回)資料
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00074.html

資料3 「早期の事業再生の円滑化に関する新制度」の位置付け等に関する検討会 取りまとめ(案)
https://www.moj.go.jp/content/001431168.pdf

タイトルとURLをコピーしました