SH5552 EU AI法の段階的施行、一般目的AI(GPAI)モデル規制開始フェーズに 中崎尚(2025/08/25)

そのほか新領域

EU AI法の段階的施行、一般目的AI(GPAI)モデル規制開始フェーズに

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 中 崎   尚

 

1 はじめに

 EU AI法[1]は2026年8月の全面施行に向けて、段階的に施行が進んでおり、2025年8月2日からは、一般目的AIモデル(汎用目的AIモデルという訳語があてられる場合もあるが、本稿では以下「GPAIモデル」と記載する。)に関する規定および罰則を含む、第III章第4節、第V章、第VII章、第XII章、および78条の適用が開始された。同日8月2日、欧州におけるAI規制を統括するAI Officeより、GPAIモデルの提供者にEU AI法の規定がどのように適用されるかについての解釈を示すガイドラインが公表された[2]。その前日の8月1日には、欧州委員会およびEU AI Boardより、GPAI行動規範(Code of Practice)[3]の評価意見書[4]および確認書[5]が公表され、EU AI法の53条、55条、および56条に準拠していることが確認された。GPAIモデルを取り扱う事業者は、GPAI行動規範に署名・準拠することで、EU AI法の規制を遵守していると主張しやすくなるため、実務では、GPAI行動規範の内容が重要になる。

 本稿では、GPAIモデルに関する規定、解釈ガイドライン、GPAI行動規範の概要を紹介する。

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(なかざき・たかし)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。東京大学法学部卒、2001年弁護士登録(54期)、2008年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了、2009年夏まで米国ワシントンD.C.のArnold & Porter法律事務所に勤務。復帰後は、国内外のインターネット・IT・システム関連を中心に、個人情報保護・プライバシー(ヘルスケア・遺伝子を含む)、サイバーセキュリティ、AI・メタバース・宇宙衛星をはじめとする先端分野、経済安全保障、電波法・電気用品安全法ほか技術分野、EUサイバーレジリエンス規制ほか海外コンプラインアンス対応、クロスボーダー取引、知的財産案件(著作権・商標・ライセンス・共同開発)、ベンチャー支援を幅広く取り扱うほか、AI事業者ガイドラインWGほか経済産業省・総務省・内閣府ほか政府の有識者委員を多数歴任するとともに、個人情報保護委員会の各種調査を受託しております。インターネット関連では、SNS・クラウド・メタバース・オンラインゲームほかの各種サービス立ち上げ・海外進出支援、ドメイン紛争、セキュリティを中心に、個人情報保護法、資金決済法、プロバイダ責任制限法、電気通信事業法ほか各種業法規制への対応、IT・システムでは、システム開発、セキュリティ、オープンソースを含むプログラム紛争を中心にサポートしております。
日本国際知的財産保護協会編集委員、経産省おもてなしプラットフォーム研究会委員、経産省AI社会実装アーキテクチャー検討会作業部会構成員、経産省IoTデータ流通促進研究会委員、経産省AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会委員、内閣府メタバース官民連携会議委員、AI事業者ガイドラインWG 委員、International Association of Privacy Professionals (IAPP) Co-Chairを歴任。
「生成AI法務・ガバナンス 未来を形作る規範」「Q&Aで学ぶメタバース・XRビジネスのリスクと対応策」「Q&Aで学ぶGDPRのリスクと対応策」(いずれも商事法務)ほか講演・執筆多数。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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