SH3319 会計士協会、「企業情報開示に関する有用性と信頼性の向上に向けた論点の検討(中間報告)」の概要を公表 武藤雄木(2020/09/25)

組織法務経営・コーポレートガバナンス

会計士協会、「企業情報開示に関する有用性と
信頼性の向上に向けた論点の検討(中間報告)」の概要を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 武 藤 雄 木

 

1 本中間報告の公表経緯

 日本公認会計士協会(以下「協会」という。)は、近年、制度開示・自主開示における記述情報(非財務情報)[1]の重要性が高まっているなか[2]、企業の情報開示がその有用性と信頼性を高めるとともに、コーポレートガバナンスとの有機的なつながりを通じて、企業の持続的な価値創造に結びついていくことが重要であるとの認識の下、2019年9月、外部有識者として我が国の代表的企業の社外取締役や投資家の参画を得た「企業情報開示・ガバナンス検討特別委員会」を設置して企業の情報開示について検討を行ってきた。本年9月10日、その分析に基づく課題の抽出と対応に関する中間的な提案文書として「企業情報開示に関する有用性と信頼性の向上に向けた論点の検討~開示とガバナンスの連動による持続的価値創造サイクルの実現に向けて ~(中間報告)」(以下「本中間報告という。)が公表された。

 

2 本中間報告の概要

⑴ 検討のアプローチ

 本中間報告は、企業の情報開示が資本市場全体における持続的価値創造サイクルを支えるという認識に立ち、監査・保証業務を行う公認会計士からの見地を踏まえて設定された3つの視点(①コーポレートガバナンス、②投資家のスチュワードシップ、③監査・保証)から課題を抽出し、4つの主要論点(①開示書類の体系と情報構成、②報告フレームワーク・基準、③企業情報開示とコーポレートガバナンスの連動、④信頼性を高める監査・保証)について検討することとしている(下表参照)。

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