厚労省、多様化する労働契約のルールに関する
検討会(第10回)を開催
――多様な正社員の雇用ルール等に関する論点を議論――
岩田合同法律事務所
弁護士 福 地 拓 己
1 はじめに
規制改革実施計画(令和元年6月閣議決定)[1]において、令和2年度中にジョブ型正社員(勤務地限定正社員、職務限定正社員等)の雇用ルールの明確化について検討を開始することとされたことを踏まえ、厚生労働省の多様化する労働契約のルールに関する検討会(以下「本検討会」という。)は、多様な正社員の雇用ルールの明確化等について検討を行っている。今般、本検討会第10回が開催され、本検討会第9回までの議論を踏まえた多様な正社員の雇用ルール等に関する論点についての資料が公表されたことから、その内容について解説する[2] [3]。
2 「多様な正社員の雇用ルール」の論点
本検討会が検討の対象とする「多様な正社員」とは、職務、勤務地、労働時間が限定された正社員を意味する。このような「多様な正社員」は、無期転換ルールによって無期雇用となった社員の重要な受け皿の1つとして期待されるところ、その雇用ルールの明確化のため、本検討会はこれまでに図1のとおり論点を設定し、検討を進めてきた。
<図1>[4]
(1) 総論
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(ふくち・たくみ)
岩田合同法律事務所弁護士。2014年早稲田大学法学部卒業。2016年一橋大学法科大学院卒業。2017年弁護士登録、高井・岡芹法律事務所勤務(~2020年)。著作には、『2020年版 年間労働判例命令要旨集』(共著、労務行政、2020年)、『判例解説 解雇・懲戒の勝敗分析』(共著、日本加除出版、2020年)がある。
岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/
<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。
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