◇SH2453◇金融庁、PTS信用取引の取扱い開始に向けた制度整備など金商業等府令の改正案を公表 (2019/04/04)

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金融庁、PTS信用取引の取扱い開始に向けた制度整備など金商業等府令の改正案を公表

――市場活性化・規制合理化の4施策に絡み、4府令を改正へ――

 

 金融庁は3月20日、「金融商品取引業等に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令案」を公表し、4月19日までの意見募集を開始した。

 市場活性化・規制合理化に係る施策として(1)私設取引システム(Proprietary Trading System:PTS)における信用取引の取扱いの開始に向けた制度整備、(2)海外G-SIB子会社へのTLAC(Total Loss Absorbing Capacity)規制の導入に向けた措置、(3)広告等における法定記載事項の緩和、(4)不動産ファンド・リート間における不動産信託受益権の相互間取引に関する規制緩和を実現する観点から、①金融商品取引業等に関する内閣府令、②有価証券の取引等の規制に関する内閣府令、③金融商品取引法第百六十一条の二に規定する取引及びその保証金に関する内閣府令、④金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令といった4府令の改正を図るものとなっている。

 上記(1)については、金融審議会「市場ワーキング・グループ」(座長・神田秀樹学習院大学大学院教授)が2016年12月22日に取りまとめた報告書「市場ワーキング・グループ報告~国民の安定的な資産形成に向けた取組みと市場・取引所を巡る制度整備について~」において、一定の「適切なスキームが構築された場合には、PTSにおける信用取引を認めることも考えられる」と、その解禁が提言されたものである。

 金融庁では意見募集手続を経て今年3月18日、すでに「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」において、PTSの認可に係る「IV−4−2−1  認可」の②の「イ. 内部管理」に「f. 当該業務において金融商品取引業者が信用取引を取扱う場合は、以下の措置が講じられていること。」を新設。(ⅰ)利益相反防止の観点からの適切な措置、(ⅱ)金融商品取引所における信用取引に係る自主規制機能と同等の措置といった2つの措置を求めることを規定したうえで、PTSの信用取引禁止を解除し、4月1日から適用するものとしていた。

 今般、上記①・②・③の3府令の改正により、PTSにおける信用取引につき空売り規制(ネイキッド・ショートセリングに係る裏付け確認および価格規制)の適用除外とするなど、金融商品取引所における信用取引に係る規制と同等の手当を行う。

 また、上記(2)は親会社との間において業務の継続的な実施を確保するための業務管理体制の整備を求めるもので、①を改正。(3)では、金融商品取引業者等が業務の内容について広告等を行う場合、当該業務の内容に関連する金融商品取引業協会の名称の記載のみを義務付けの対象とする法定記載事項の合理化を目的として、①を改正する。(4)は不動産信託受益権を運用するファンド・リートについて、権利者がいずれも適格機関投資家のみによって構成される場合にかぎり、ファンド・リート相互間取引に係る権利者の同意要件「全権利者の同意」をベンチャーファンドと同水準「全権利の3分の2以上の同意」に緩和するもので、①とともに④の改正を行う。

 金融庁ではいずれの改正についても、意見募集の終了後すみやかに公布・施行する予定としている。

 

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