総務省、SDGグローバル指標を取りまとめ
――「働きがいも経済成長も」「気候変動に具体的な対策を」など17ゴールにターゲットと指標を示す――
総務省は8月8日、2015年9月の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)、2017年7月の国連総会で承認されたその進捗を測るためのグローバル指標の枠組みを踏まえ、わが国の指標として「SDGグローバル指標」を関係府省の協力のもとで取りまとめたとし、外務省ウェブサイト上の JAPAN SDGs Action Platform において公表した。
総務省ウェブサイトの「報道資料一覧」から8月8日付「SDGグローバル指標の公表」と題されたリンクをクリックすると、本発表に係る説明とともに上記 Platform のページにつながるURLが掲げられており、当該URLのクリックにより、色分けされた17のタイルで構成される「SDGグローバル指標(SDG Indicators)」が閲覧できるようになっている。また、このページでは上方に「SDGsとは?」「日本政府の取組」などを取りまとめて掲げ、基本的な概念や政府レベルの対応が把握できるほか、「取組事例」として「SDGグローバル指標(SDG Indicators)」と同じく17のタイルで色分けしながら示す様々な取組みについて、主体別に企業、自治体、NGO/NPO、教育・研究機関、STI、メディア、その他の7つにカテゴライズした具体的事例が紹介されている(STIについては現状、その区分は設けられているものの具体的事例は挙げられていない)。
今般公表された「SDGグローバル指標(SDG Indicators)」は「世界を変えるための17の目標(SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS)」とも紹介されており、17のうち、たとえば8つめのタイル「働きがいも経済成長も」をみると、「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」との “ゴール” のもと、8.1〜8.10および8.a・8.bとして各 “ターゲット” が示され、各ターゲットには “グローバル指標” が各々具体的に示されるといった体裁となっている。
より具体的にみれば、たとえば「8.10」として、そのターゲットは「国内の金融機関の能力を強化し、全ての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。」とされる。ここでは、グローバル指標を計2つ掲げており、1つめは「8.10.1 成人10万人当たりの商業銀行の支店数及びATM数」。この指標はさらに細分化、「8.10.1(a)成人10万人あたりの商業銀行の支店数」「8.10.1(b)国内にある成人10万人あたりの現金自動預払機(ATM)数」の2つの構成要素(サブ指標)からなるものとされたうえ、それぞれ10万人当たりの数として尺度化されて掲げられている。なお、「作成方法(日本語)」のボタンをクリックすると、これらの指標の「定義及び理由」「算出方法及びその他の方法論的考察」などを把握することが可能だ。
2つめのグローバル指標「8.10.2」は「銀行や他の金融機関に口座を持つ、又はモバイルマネーサービスを利用する成人(15歳以上)の割合」であるが、「現在、提供できるデータはありません」とされており、2018年3月末時点の国内銀行口座数・信用金庫口座数、2019年3月末時点のプリペイド方式・IC型の電子マネー発行枚数が日本銀行のデータに基づいて示されている。
すべての指標一覧をExcelファイルとしてダウンロード、閲覧することも可能である。