経産省、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」を発足
――人材戦略について経営陣・取締役・投資家が果たすべき役割、投資家との対話の在り方等――
経済産業省はこのほど、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」(座長=伊藤邦雄・一橋大学大学院特任教授)を発足し、1月17日に第1回、2月10日に第2回会合を開催した。
経産省の「開催趣旨」によると、「企業が事業環境の変化に対応しながら、持続的に企業価値を高めていくためには、事業ポートフォリオの変化を見据えた人材ポートフォリオの構築やイノベーションや付加価値を生み出す人材の確保・育成、組織の構築など、経営戦略と適合的な人材戦略が重要となる」とともに、「機関投資家などとの関係において、企業価値向上に向けた人的資本の非財務情報の活用も重要となる」としている。
そこで、「経営環境の変化に応じた人材戦略の構築を促し、中長期的な企業価値の向上させる観点から、人材戦略について経営陣、取締役、投資家がそれぞれ果たすべき役割、投資家との対話の在り方、関係者の行動変容を促す方策等を検討」するため、本研究会を開催することとしている。研究会は、月1~2回程度開催し、年度内を目途に、中間的な整理を行う予定とされている。
以下、第1回会合の事務局作成資料から、「御議論いただきたい論点」を紹介する。
【御議論いただきたい論点】
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① 経営陣においては、人材及び人材戦略を経営戦略と密接に関連づけ、企業価値の向上につなげていくことが不可欠。今後、人材、資金、技術・情報に関する戦略をより一層、密接に関連づけるために、経営陣では、CHRO(最高人事責任者)を含めてどのような体制を構築し、どのような点にフォーカスして人材及び人材戦略の議論をしていくべきか。
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② 取締役会は、経営戦略の実現や企業価値の向上につながる、人材及び人材戦略の議論において、どのような役割を担う必要があると考えるか。
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③ 人材及び人材戦略に関する重要な項目については、KPIを設定するなどして経営陣、取締役会においてPDCAサイクルが回されているか。経営環境の変化を踏まえて、今後、どのような項目をKPIとして設定すべきか。
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④ 人材及び人材戦略に関する重要な項目は、事業環境に応じた個社性が高いと考えるが、デジタル化、人生100年時代など大きな変革の中で、各社に共通する視点や項目にはどのようなものがあるか。(ex.デジタル人材の確保、多様な個人への対応、ミドル・シニアのスキルシフトなど)
- ⑤ 経営陣、取締役会は、経営戦略の信任を得るために人材及び人材戦略に関するどのような項目について、対外的に発信していく必要があると考えるか。また、投資家から見て、関心の高い人材関係のアジェンダはなにか。
経産省、第2回 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会(2月10日開催)(2月14日)
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/kigyo_kachi_kojo/002.html
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資料1 委員名簿
https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2020/02/002_01_00.pdf -
資料2 事務局説明資料(経営陣、取締役会の役割)
https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2020/02/002_02_00.pdf -
資料3 曽山委員提出資料(サイバーエージェントの事例)
https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2020/02/002_03_00.pdf
経産省、第1回 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会(1月17日開催)(2月10日)
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/kigyo_kachi_kojo/001.html
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資料2 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会について
https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2020/02/001_02_00.pdf -
資料4 事務局説明資料(経営戦略と人材戦略)
https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2020/02/001_04_00.pdf -
議事要旨
https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2020/02/001_gijiyoshi.pdf