最一小決 令和3年6月28日 薬事法違反被告事件(山口厚裁判長)
【判示事項】
1 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する「記事を広告し、記述し、又は流布」する行為の意義
2 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する特定の医薬品等の購入・処方等を促すための手段としてされた告知といえるか否かの判断方法
3 学術論文の学術雑誌への掲載が薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する行為に当たらないとされた事例
【決定要旨】
1 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する「記事を広告し、記述し、又は流布」する行為は、特定の医薬品等に関し、当該医薬品等の購入・処方等を促すための手段として、不特定又は多数の者に対し、同項所定の事項を告げ知らせる行為をいう。
2 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する特定の医薬品等の購入・処方等を促すための手段としてされた告知といえるか否かは、当該告知の内容、性質、態様等に照らし、客観的に判断するのが相当である。
3 高血圧症治療薬を用いた臨床試験の補助解析等の結果を取りまとめた学術論文を、専門的学術雑誌に投稿し掲載させたなどの本件事実関係(判文参照)の下では、同論文の同雑誌への掲載は、特定の医薬品の購入・処方等を促すための手段としてされた告知とはいえず、薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する行為に当たらない。
(1につき補足意見がある。)
【参照条文】
薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項
【事件番号等】
平成30年(あ)第1846号 最高裁判所令和3年6月28日第一小法廷決定 薬事法違反被告事件(刑集75巻7号666頁) 棄却
原 審:平成29年(う)第974号 東京高裁 平成30年11月19日判決
第1審:平成26年(特わ)第914号/平成26年(特わ)第1029号 東京地裁平成29年3月16日判決
【判決文】
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90456
【解説文】
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