人的資本経営の実践と情報開示の実務対応
第6回:経営陣が果たすべき役割・アクション(後編)
日比谷タックス&ロー弁護士法人
弁護士 堀 田 陽 平
第2部 人的資本経営の実践
第6回:経営陣が果たすべき役割・アクション(後編)
【今回の狙い】 連載第6回では、前回の続きで、経営陣が果たすべき役割について解説します。
【今回の主なターゲット】
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1 人材版伊藤レポートが示す経営陣が果たすべき役割・アクション(前回の続き)
前回は、「経営陣が果たすべき役割・アクション」のうち、「1 企業理念、企業の存在意義(パーパス)や経営戦略の明確化」、「2 経営戦略と連動した人材戦略の策定・実行」について解説しました。
今回は、その続きとして、「3 CHROの設置・選任、経営トップ5Cの密接な連携」と「4 従業員・投資家への積極的な発信・対話」について解説します。
⑴ CHROの設置・選任、経営トップ5Cの密接な連携
この項目は、経営戦略と人材戦略の連動のための組織体制面の項目です。
人材版伊藤レポートは、「経営戦略と人材戦略の連動」が目的であるところ、これを実現するためには、経営・事業に関する知見を持ちつつも、人事に関する知見も有している人材が必要になります。そこで重要であるのが、CHRO(Chief Human Resource Officer)です。
ここで注意を要するのは、上記のとおり、CHROとなる人材には経営・事業に関する知見を要する点で、単なる「人事部長」とは果たすべき役割が異なるという点です(後述の取組事例における日立製作所の例が分かりやすいでしょう。)。
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(ほった・ようへい)
2016年弁護士登録(第69期。第二東京弁護士会)。2017年鳥飼総合法律事務所入所。
2018年7月現在の事務所へ移籍。2018年10月から経済産業省経済産業政策局産業人材政策室(当時。現在は「課」)に任期付き職員として着任。
経済産業省では、兼業・副業の推進、テレワークの推進、フリーランス政策等の柔軟な働き方に関する政策立案や、人材版伊藤レポートの策定等の人的資本経営の推進に関する政策立案等に従事。経済産業省から帰任後も人的資本経営の実践・開示に関するセミナーや寄稿を行う。