SH5033 「ヘルスケアスタートアップの振興・支援に関するホワイトペーパー」 (2024年6月27日公表、厚労省) 後藤未来/谷川原淑恵(2024/07/29)

そのほか新領域

「ヘルスケアスタートアップの振興・支援に関するホワイトペーパー」(2024年6月27日公表、厚労省)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 後 藤 未 来

弁護士 谷川原 淑 恵

 

1 はじめに

 健康・医療・介護にかかわるヘルスケア領域におけるスタートアップを政策的に振興・支援する具体策の検討のために、2024年2月5日、厚労省において、ヘルスケアスタートアップの創業者、投資家、インキュベータ、アカデミア、医師、弁護士等から構成される「ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム」[1](以下「本プロジェクトチーム」という。)が立ち上げられた。本プロジェクトチームにおいて各ヘルスケア市場の特性を踏まえた最適な振興・支援アプローチを選択する観点から議論が重ねられ、その最終とりまとめとして、同年6月27日、本プロジェクトチームによる「ヘルスケアスタートアップの振興・支援に関するホワイトペーパー」[2](以下「本とりまとめ」という。)が公表された。

 本とりまとめは、日本において、ヘルスケア領域のスタートアップが成長産業となる潜在能力はあるものの、その潜在力を十分に発揮できずに限定的な成功例にとどまっているという現状を分析している。そして、こうした現状を踏まえ、スタートアップ振興によって国内のヘルスケアの質向上と、グローバルな成長産業の創出を図るための戦略と、「総論」、「バイオ・再生」、「医療機器・SaMD」、「医療DX・AI」、および「介護テック」の5分野において合計25本の具体策の提言が示されている。本とりまとめは、支援策や具体的なアクションプランが各分野において多岐に亘って検討されており、本文は約80頁にも及ぶ。本稿では、紙幅の関係上、本とりまとめのうち、その構成の概要と、25の提言のうち一部の具体的な内容について紹介する。

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(ごとう・みき)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー、弁護士・ニューヨーク州弁護士。理学・工学のバックグラウンドを有し、知的財産や各種テクノロジー(IT、データ、エレクトロニクス、ヘルスケア等)、ゲーム等のエンタテインメントに関わる案件を幅広く取り扱っている。ALB Asia Super 50 TMT Lawyers(2021、2022)、Chambers Global(IP分野)ほか選出多数。AIPPIトレードシークレット常設委員会副議長、日本ライセンス協会理事。

 

(たにがわら・よしえ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2009年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2011年早稲田大学大学院法務研究科修了。2012年弁護士登録(東京弁護士会)。2020年米国University of Pennsylvania Carey Law School (LL.M.)  修了。2021年米国ニューヨーク州弁護士登録。グローバル製薬会社での企業内弁護士経験を有し、ライフサイエンス・ヘルスケア分野の法務を専門として、製薬や医療機器に関する国内及びクロスボーダー取引(M&A、知財ライセンス、業務提携・アライアンス等)、薬機法等の各種規制対応、訴訟・紛争解決を取り扱う。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

 


* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

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