中国：新会社法の時間効力に関する最高人民法院の規定（下）
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 川 合 正 倫
弁護士 万 鈞 剣
⑵ 改正会社法によって過去の行為が有効となる場合
旧法では無効とされたものの改正会社法が遡及適用される結果、効力が認められる主な状況は以下のとおりである（本規定2条）。
ア 投資先企業の債務に関する株主の連帯責任
旧法では、投資先企業の債務について株主が無限連帯責任を負うことは原則として禁止され、他の法令に例外規定があればこれに従うとされていたが、改正会社法では、当該禁止規定を削除し、他の法令が連帯責任を禁止する場合のみ当該責任を負わないとされた（同14条）。このため、施行日前に行われた株主による投資先企業の債務に関する無限連帯責任の合意は有効となりうる。
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（かわい・まさのり）
長島・大野・常松法律事務所上海オフィス一般代表。2011年中国上海に赴任し、2012年から2014年9月まで中倫律師事務所上海オフィスに勤務。上海赴任前は、主にM&A、株主総会等のコーポレート業務に従事。上海においては、分野を問わず日系企業に関連する法律業務を広く取り扱っている。クライアントが真に求めているアドバイスを提供することが信条。
（Junjian・Wan）
2011年から2015年まで中倫律師事務所北京オフィスに勤務、2015年に長島・大野・常松法律事務所に入所。日系企業による中国市場の進出及びM&A、合弁提携その他事業経営の全般に関する法務サポートに従事し、また、中国企業による日本市場への参入等に関する法務サポートも提供。山東大学法学部、早稲田大学法学研究科卒業。
長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/
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