特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)の施行に向けて
――「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」の改定および「フリーランス取引の状況についての実態調査」について――
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 小 舘 浩 樹
弁護士 原 口 夕梨花
1 はじめに
2023年4月28日に成立した特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下「フリーランス・事業者間取引適正化等法」または単に「法」という。)は、2024年11月1日に施行された。この施行に備え、2021年3月26日に策定された「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン[1]」(以下「フリーランスガイドライン」という。)について、2024年10月18日にフリーランス・事業者間取引適正化等法および関係政令等の内容を追記するなどの改定が行われた[2]。
また、公正取引委員会および厚生労働省は、フリーランス・事業者間取引適正化等法の施行に向けて、現状の取引実態を確認し、フリーランス・事業者間取引適正化等法施行後に問題となりうる行為が行われている業種等を把握するため、関係府省庁と連携して「フリーランス取引の状況についての実態調査(法施行前の状況調査)」(以下「本実態調査」という。)を実施し、その結果を取りまとめた[3]。
本稿では、「フリーランスガイドライン」の改定および本実態調査の内容について概観する。
この記事はプレミアム向け有料記事です
続きはログインしてご覧ください
(こだて・ひろき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。1994年東京大学法学部卒業。1996年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2000年ハーバード・ロースクール(LL.M.)修了。2001年ニューヨーク州弁護士登録。2002年7月~2005年3月法務省民事局参事官室勤務(会社法の企画・立案担当)。
(はらぐち・ゆりか)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2015年東京大学文学部卒業。2018年東京大学法科大学院卒業。2020年弁護士登録(第二東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用