二酸化炭素の貯留事業に関する法律の成立
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 宇田川 法 也
弁護士 大 槻 由 昭
弁護士 藤 木 崇
1 はじめに
2024年5月17日付にて、二酸化炭素の地中貯留(Carbon dioxide Capture and Storage)に関する事業環境の整備を企図した「二酸化炭素の貯留事業に関する法律案」が参議院本会議にて可決され、二酸化炭素の貯留事業に関する法律(令和6年法律38号)(以下「CCS事業法」という。)が成立した[1]。2024年5月24日付で公布されている。
CCS事業法については、法案の提出段階において本サイト上にその概要を説明していたところであるが[2]、本稿では成立したCCS事業法の内容と事業を実施するに当たって留意・検討すべきと思われる点について改めて言及する。
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(うだがわ・のりや)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2004年東京大学法学部卒業。2006年東京大学法科大学院卒業。2007年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2016年University of California, Los Angeles School of Law (LLM)修了。2017年ニューヨーク州弁護士登録。ストラクチャード・ファイナンス、プロジェクト・ファイナンス、PPP/PFI、ファンド取引等の金融取引を幅広く取り扱っており、資源・エネルギー分野においては、再生可能エネルギー発電事業に関するスキーム構築、契約交渉等に関与し、豊富な経験を有している。
(おおつき・よしあき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 スペシャルカウンセル。2004年東京大学法学部卒業。同年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2011年 南カリフォルニア大学(USC)・ロースクール(LLM)修了。2012年 ニューヨーク州弁護士登録。主に資源エネルギー分野を中心に取り扱っており、とりわけ、外資系の鉱山会社による日本での鉱業権(試掘権及び採掘権)の取得案件や、それに関連するM&A取引等の案件を多く取り扱っている。また、LNG(液化天然ガス)を海外から調達する取引をはじめ、電力ガス会社が関与するM&A取引等についても有数の実績を有する。独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の案件等に多く関与しており、資源の上流開発案件についての知見を多く有している。
(ふじき・たかし)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト弁護士。2007年東京大学法学部卒業。2009年東京大学法科大学院卒業。2010年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2018年ニューヨーク大学・ロースクール(LLM)修了(同年、ニューヨーク州司法試験合格)。2023年Best Lawyers in Japan選出。大手発電事業会社での出向経験を活かし、資源・エネルギー分野を中心とし、FIT/FIP(営農型案件、洋上風力案件・プロジェクトファイナンス案件を含む)、水素・アンモニア関連案件、コーポレートPPA案件(フィジカル・バーチャル含む)、発電所の工事・運営、電力卸取引、電力関係のスタートアップ支援等に従事している。執筆として「非化石証書の制度と実務」(NBL2023年11月1日号)等。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
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