◇SH3102◇公取委、改正独占禁止法「調査協力減算制度」を巡り規則案等に関する意見募集を開始――規則案に8つの「事件の真相の解明に資する事項」を規定、運用方針案で具体的例示など (2020/04/15)

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公取委、改正独占禁止法「調査協力減算制度」を巡り規則案等に関する意見募集を開始

――規則案に8つの「事件の真相の解明に資する事項」を規定、運用方針案で具体的例示など――

 

 公正取引委員会は4月2日、昨年の通常国会において可決・成立し、令和元年6月26日に公布された独占禁止法改正法(令和元年法律第45号)に絡み、既存の課徴金減免制度に新たに導入される「調査協力減算制度」に関する規則案・運用方針案等を示すとともに、5月15日まで意見募集を実施すると発表した。

 改正法の施行に当たっては、すでに昨年中から整備が図られてきたところであるが(SH2928 公取委、独占禁止法改正法の一部施行に伴い整備する関係政令について公表――課徴金の延滞金の割合の引下げに係る規定および犯則調査手続における電磁的記録の証拠収集手続の整備に係る規定(2019/12/11)既報)、課徴金減免制度の見直しについては公布日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日に施行するものとされており、今般、施行に伴って必要となる公正取引委員会規則等を整備するため、規則案等が示された。

 改正法の施行により、課徴金減免制度については(ア)従来の減免申請による減免に加え(改正後の申請順位2位以下の減算率には変更がある)、(イ)事業者が事件の解明に資する資料の提出等をした場合に、公正取引委員会が課徴金の額を減額する仕組み(調査協力減算制度)を導入するとともに、減額対象事業者数の上限を廃止する。調査協力減算制度においては、事業者の協力が事件の真相の解明に資する程度に応じて課徴金の減算率が決定されることになり、公取委の調査開始前においては最大40%、調査開始後は最大20%の減算率が(ア)の減算率に付加される。

 改正法の施行と同時に、公取委の行政調査手続においては(ウ)いわゆる弁護士・依頼者間秘匿特権への対応とし、新たな課徴金減免制度をより機能させるとともに、外部の弁護士との相談に係る法的意見等についての秘密を保護して適正手続を確保する観点から「判別手続」が導入される。本手続下、所定の手続により一定の条件を満たすことが確認された事業者と弁護士との間で秘密に行われた通信の内容を記録した物件については、審査官がその内容に接することなく還付されることになる。

 また、(エ)減免申請者の従業員等が聴取対象者である場合に当該聴取対象者からの求めがあったときは「供述聴取終了後その場で」「当該聴取対象者が自ら供述した内容に係るメモの作成を認める」「当該メモの作成のために必要な範囲で当該聴取対象者からの質問に応じる」こととする。

 今般公表された規則案等のうち、上記(イ)の調査協力減算制度の仔細を定めるのが(1)現行の「課徴金の減免に係る報告及び資料の提出に関する規則」の全部を改正する体裁が採られた「課徴金の減免に係る事実の報告及び資料の提出に関する規則(案)」と、(2)調査協力減算制度の運用方針(案)。(1)では、①事業者の協力内容と公取委が付加する減算率に関する両者間の協議について、当該協議の申出期限が「減免申請を行った旨の通知を受けた日から、同日から起算して10(開庁)日を経過する日までの間に」書面で提出する旨(14条)とともに、②「事件の真相の解明に資する事項」として「違反行為の対象となった商品又は役務」「違反行為の態様」「違反行為の参加者」「違反行為の時期」「違反行為の実施状況」「前各号に掲げるもののほか違反行為に係る事項」「課徴金額の算定の基礎となる額」 「課徴金額の算定率」の8つの事項を規定(17条各号)するなどしている。上記(2)の運用方針(案)では、たとえばこの8事項について、より具体的な例を「別紙」において示すなどした。

 上記(ウ)の「判別手続」に関する規則案等が、今般公表の(3)公正取引委員会の審査に関する規則の一部を改正する規則(案)、(4)事業者と弁護士との間で秘密に行われた通信の内容が記録されている物件の取扱指針(案)。(3)では新たに第1節の2「特定通信の内容を記録した物件の取扱い等」が加えられる。(4)においては、たとえば「特定通信の内容を記録した物件」の例示とし、「特定行為者から弁護士への相談文書」「弁護士が出席する社内会議で当該弁護士との間で行われた法的意見についてのやり取りが記載された社内会議メモ」などが示された。

 上記(エ)に対応する観点から示されているのが、(5)「独占禁止法審査手続に関する指針」の一部改定(案)である。

 

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