4月総会に複数の会場変更事案、
緊急事態宣言等を受けて当初予定会場が使用不能に
――代替会場に本社会議室、開催日は変えずに時刻繰下げの例など――
東京都内の集会施設を定時株主総会の会場とする上場会社において、4月開催の株主総会会場を変更する事案が複数みられる。ほとんどのケースで会場を本社会議室に変更しており、開催日は変更しないままに開始時刻を繰り下げる例が多い。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況を踏まえ、政府はいわゆる緊急事態宣言を当初4月7日に発出。対象区域となった東京都においては4月10日、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法24条9項に基づき、都内全域を対象として5月6日まで、施設管理者等に施設の使用停止等を要請する緊急事態措置を発表し、翌11日に施行した。
株主総会会場の変更はこのような動きに伴うもので、たとえば（1）ベステラ（東証市場第一部）は4月7日付招集通知において①日時：4月23日（木）午前10時開催（受付開始：午前9時30分）、②場所：亀戸文化センター（カメリアホール）としていた第47期定時株主総会の開催を巡って、まず4月8日、「新型コロナウイルス（COVID-19）による感染拡大予防措置のため、予定していた会場が使用不可となりました」とし、①日時：同日、1時間繰り下げて午前11時から開始、②場所：本社会議室へと変更する発表を行った。変更に伴っては（a）「会場席数に限りがあり当日入れなくなる可能性がございます」との案内を掲げるとともに、（b）「万が一お席がご用意できない場合、何卒ご容赦いただきますようお願い申し上げます」とする一文を添えている。
続く4月10日付の発表では、「新型コロナウイルス感染拡大により発表された特別措置法に基づく「緊急事態宣言」のため、予定していた会場が使用不可となりました」とするとともに、上記（a）に相当する案内を「会場席数に限りがあり、当日ご入場をお断りする可能性がございます」と改めた。併せて公表された入場方針は「先着順」となる。上記①の日時については「受付時間：午前10時30分」を追記。「※招集ご通知記載時間より1時間繰り下げております」との注意書きも加えた。
4月10日には（2）菱洋エレクトロ（東証市場第一部）が変更を発表。その理由として「新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の感染拡大防止に向けた政府の緊急事態宣言の発令に伴い、当初予定していた会場より施設を閉館する旨の通知がなされました」と掲げつつ、①4月28日（火）午前10時開催（受付開始：午前9時）を同日の午前10時30分開催（受付開始：午前9時30分）と変更するとともに、例年開催会場としている②時事通信ホール（時事通信ビル2階）を本社会議室に変更した。
4月14日には（3）アセンテック（東証市場第一部）、（4）鎌倉新書（東証市場第一部）、（5）東京楽天地（東証市場第一部）が同様の発表を行った。（3）は「新型コロナウィルス感染症（COVID-19）の感染拡大防止に向けた政府の緊急事態宣言の発令に伴い、当初予定していた会場が使用不可となりました」と説明し、①4月22日（水）午後1時とする開催日時については変更しないまま、②富士ソフトアキバプラザ7階（EXルーム1）を本社会議室に変更するもの。
（4）では「新型コロナウィルス（COVID-19）感染拡大防止のための東京都による緊急事態措置により、当初予定していた会場を使用できなくなりました」とし、①4月17日（金）午前10時（受付開始時刻 午前9時）を同日の午前11時開催へ、②東京建物日本橋ビル3階・コングレスクエア日本橋（コンベンションホールC・D）を本社会議スペースへと変更した。
また、（5）は「新型コロナウイルスの影響により、会場を変更することといたしました」として、①4月28日（火）午前10時30分開催の日時については変更しないまま、②当初の会場である東武ホテルレバント東京4階「錦」について、本社所在地と同一住所となる同社直営の映画館（楽天地ビル6階「TOHOシネマズ錦糸町 楽天地」スクリーン9）に変更することとしている。