経団連、オフィスや製造事業場向けの
「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を公表
――感染予防対策を行う際の基本的事項――
日本経済団体連合会は5月14日、「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を公表した。
新型コロナウイルスの感染拡大の防止については、完全な終息までの期間が長期にわたることを考えると、「企業には、感染防止のための取組みを一層進め、新型コロナウイルス感染症のまん延を防止していく役割に加え、事業を通じた国民生活への貢献拡大という役割」が求められるところである。
そこで経団連は、政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」や新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の分析・提言などを踏まえ、個々の業界や事業場の実態に応じた新型コロナウイルス感染予防対策を行う際のガイドライン（オフィス向け、製造事業場向け）を作成した。経団連では、本ガイドラインに示された「感染防止のための基本的な考え方」と「講じるべき具体的な対策」や、所属する業界団体などで示される指針等を踏まえ、新型コロナウイルスの感染予防に取り組むとともに、社会基盤としての役割を引き続き果たすよう求めている。
経団連はまた、本ガイドラインについて、「緊急事態宣言下はもとより、緊急事態宣言が終了した段階においても、新型コロナウイルス感染症の感染リスクが低減し、早期診断から重症化予防までの治療法の確立、ワクチンの開発などにより企業の関係者の健康と安全・安心を十分に確保できる段階に至るまでの間の事業活動に用いられるべきものである」としている。
以下、本ガイドラインの内容を見ると、「2．感染防止のための基本的な考え方」は、次のようになっている（オフィス向け、製造事業場向け共通）。
- ○ 事業者は、職場における感染防止対策の取り組みが、社会全体の感染症拡大防止に繋がることを認識した上で、対策に係る体制を整備し、個々の職場の特性に応じた感染リスクの評価を行い、それに応じた対策を講ずる。
- ○ 特に、従業員への感染拡大を防止するよう、通勤形態などへの配慮、個々人の感染予防策の徹底、職場環境の対策の充実などに努めるものとする。
「3．講じるべき具体的な対策」（オフィス向け）について、「（2）健康確保」では、従業員への対応を示した上で、事業場内の派遣労働者や請負労働者についても派遣事業者・請負事業者を通じて同様の扱いとすること等としている。
- 「（4）勤務」では、
- ・ 従業員が、できる限り2メートルを目安に、一定の距離を保てるよう、人員配置について最大限の見直しを行うこと
- ・ 出張は、地域の感染状況に注意し、不急の場合は見合わせること
- ・ 外勤時や出張時には面会相手や時間、経路、訪問場所などを記録に残すこと
- ・ 株主総会については、事前の議決権行使を促すことなどにより、来場者のない形での開催も検討すること
- ・ 採用説明会や面接などについては、オンラインでの実施も検討すること
- 等としている。
- 「（10）感染者が確認された場合の対応」（オフィス向け、製造事業場向け共通）では、従業員の感染が確認された場合について、
- ・ 感染者の人権に配慮し、個人名が特定されることがないよう留意した上で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的とした個人データについては、個人情報保護に配慮し、適正に取り扱うこと
- ・ オフィス（事業場）内で感染者が確認された場合の公表の有無・方法については、上記のように個人情報保護に配慮しつつ、公衆衛生上の要請も踏まえ、実態に応じた検討を行うものとすること
- 等としている。
なお、本ガイドラインの構成は、以下のようになっている（オフィス向け、製造事業場向け共通）。
1．はじめに
2．感染防止のための基本的な考え方
3．講じるべき具体的な対策
（1）感染予防対策の体制
（2）健康確保
（3）通勤
（4）勤務
（5）休憩・休息スペース
（6）トイレ
（7）設備・器具
（8）オフィス（事業場）への立ち入り
（9）従業員に対する感染防止策の啓発等
（10）感染者が確認された場合の対応
（11）その他
経団連、オフィスや製造事業場向けの「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を公表（5月14日）
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/040.html
○オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインhttp://www.keidanren.or.jp/policy/2020/040_guideline1.html
○製造事業場における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインhttp://www.keidanren.or.jp/policy/2020/040_guideline2.html