SH3282 金融審議会「市場ワーキング・グループ」、顧客本位の業務運営等に関する検討結果を取りまとめた報告書を公表 三浦貴史(2020/08/27)

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金融審議会「市場ワーキング・グループ」、顧客本位の業務運営等に関する検討結果を取りまとめた報告書を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 三 浦 貴 史

 

1 本報告書公表の経緯

 金融審議会「市場ワーキング・グループ」(以下「本グループ」という。)は、2016年12月に、国民の安定的な資産形成の実現に向けて、金融事業者が顧客本位のより良い金融商品・サービスの提供を競い合うように促すべく、「顧客本位の業務運営に関する原則」(以下「本原則」という。)の策定を提言し、これを受けて、2017年3月に本原則が策定・公表された。

 本原則の策定・公表から3年が経過する中で、本グループは、本原則の定着状況を検証し、更なる進展を目指すこと、及び、急速に進行する高齢化に伴い、認知判断能力等が低下した高齢顧客やその家族等に対して、安心で利便性の高い対応を充実させることが必要となっている状況を踏まえ、顧客本位の業務運営の更なる進展に向けた新たな方策や超高齢社会における金融業務のあり方について検討を行った。かかる検討結果を取りまとめたものが、2020年8月5日に公表された「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書-顧客本位の業務運営の進展に向けて-」(以下「本報告書」という。)である。

 なお、本原則は、7つの原則から成るものである[1]が、金融事業者は、本原則を外形的に遵守することに腐心するのではなく、本原則の趣旨・精神を自ら咀嚼した上で、これを実践していくためにとるべき行動を適切に判断していくことが求められている。

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(みうら・たかし)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2014年東京大学法学部卒業。2016年東京大学法科大学院卒業。2017年弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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