SH3650 厚労省、ワクチン接種に関する休暇や労働時間の取扱いに関するQ&Aを公表 平井裕人(2021/06/04)

そのほか労働法

厚労省、ワクチン接種に関する
休暇や労働時間の取扱いに関するQ&Aを公表

岩田合同法律事務所

弁護士 平 井 裕 人

 

1 はじめに

 厚生労働省は、本年5月20日、「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」を更新し、ワクチン接種に関する休暇や労働時間の取扱いに関するQ&A(以下「本Q&A」という。)を公表した。

ワクチン接種に関する社員への休暇の付与等を認める取組みを巡っては、後に言及する企業をはじめ、既にこれを始めている企業も少なくない。さらに、先日、河野太郎国務大臣から一般社団法人日本経済団体連合会に対しワクチン接種に関する社員への休暇の付与やテレワークの実施の検討等が求められたところであり[1]、その導入について検討を進める企業も多いと思われる。そのような中で公表された本Q&Aは、ワクチン接種に関する休暇の付与や労働時間の取扱いに関する留意点を示したものであり、検討の参考になると思われるのでここに紹介する。

 

2 本Q&Aの内容

 本Q&Aは、まず、「ワクチンの接種や、接種後に労働者が体調を崩した場合などに活用できる休暇制度等を設けていただくなどの対応は望ましいもの」であるとした上で、以下の2つの対応については、「労働者が任意に利用できるものである限り」「一般的には、労働者にとって不利益なものではなく、合理的であると考えられることから、就業規則の変更を伴う場合であっても、変更後の就業規則を周知することで効力が発生する」ものと考えられるとした。

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(ひらい・ひろと)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2013年中央大学法学部卒業。2015年東京大学法科大学院修了。2016年弁護士登録。

 

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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