全株懇・東株懇、「提案書『バーチャル総会の運営実務』」を公表
岩田合同法律事務所
弁護士 丸 山 真 司
1 バーチャル株主総会について
東京株式懇話会が2021年10月22日付で「バーチャル総会の運営実務」(本書)を公表した。
いわゆるバーチャル株主総会は、新型コロナウイルス感染症の流行等によって急速に注目が高まり、既に実施している会社も少なくないが、まず、その類型を改めて確認すると以下のとおりとなる。
⑴ ハイブリッド型バーチャル株主総会「参加型」
リアル株主総会[1]を開催したうえで、リアル株主総会に出席にしない株主に対してインターネット等の手段によってバーチャル参加することを認めるものをいう。バーチャル参加は会社法上の「出席」とは認められず、バーチャル参加株主は株主総会をいわば視聴・傍聴するにとどまるため、バーチャル参加株主は会社法上の質問や動議の提出を行うことはできない。
⑵ ハイブリッド型バーチャル株主総会「出席型」
リアル株主総会を開催したうえで、リアル株主総会に出席しない株主に対してインターネット等の手段によってバーチャル出席を認めるものをいう。バーチャル出席は会社法上の「出席」であるため、バーチャル出席株主は会社法上の質問や動議の提出を行うことが認められる。
⑶ バーチャルオンリー型株主総会
リアル株主総会のための物理的な場所を用意せず、インターネット等の手段のみによって株主に会社法上の「出席」の機会を提供するものをいう。
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(まるやま・しんじ)
岩田合同法律事務所弁護士。2007年東京大学法学部卒業。2008年弁護士登録。2013年から2018年までRAJAH & TANN ASIAタイオフィス出向。銀行、保険会社、電力会社関係訴訟等の紛争解決案件を数多く手掛けるほか、東南アジア諸国の外資規制、会社法制、労働紛争等にも強みを持つ。
岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/
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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。
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