SH4007 借地借家法の改正(一般定期借地権・定期建物賃貸借関係)令和4年5月18日施行 丸山真司(2022/05/27)

取引法務不動産法

借地借家法の改正(一般定期借地権・定期建物賃貸借関係)
令和4年5月18日施行

岩田合同法律事務所

弁護士 丸 山 真 司

 

1 改正の概要

 令和3年5月19日に公布された「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和3年法律第37号。以下「整備法」という。)では、行政や民間の各種手続における押印・書面に係る制度の見直しのため、48の法律が一括改正された。かかる改正のうち、借地借家法に関する部分が令和4年5月18日に施行され、また、同改正に伴って、借地借家法施行令(令和4年政令第187号)及び借地借家法施行規則(令和4年法務省令第29号)が新たに制定された(以下、同政令及び同規則の制定並びに借地借家法の改正を総称して単に「改正」という。)。

 改正において、一般定期借地権の設定並びに定期建物賃貸借における事前説明書面の交付及び契約の締結の電子化が行われた。

(出典:法務省「電磁的記録も書面と同じ扱いに/借地借家法改正」)

 

2 一般定期借地権に関する改正

 一般定期借地権(借地借家法第22条)とは、存続期間を50年以上とする借地権であって、(i)契約の更新(同法第5条)、(ii)建物の築造による存続期間の延長(同法第7条)及び(iii)建物買取請求権(同法第13条)のいずれか又はすべてを排除する旨の特約をしたものをいう。

 当該特約は書面によってしなければならないとされており(改正前同法第22条、改正後同法第22条第1項)、書面には電磁的記録は含まれないとされていたが、改正によって電磁的記録によっても行うことが可能とされた(改正後同条第2項)。

 いわゆる電子契約システムは上記電磁的記録に含まれるため、オンライン手続によって契約の締結が可能となった。

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(まるやま・しんじ)

岩田合同法律事務所弁護士。2007年東京大学法学部卒業。2008年弁護士登録。2013年から2018年までRAJAH & TANN ASIAタイオフィス出向。銀行、保険会社、電力会社関係訴訟等の紛争解決案件を数多く手掛けるほか、東南アジア諸国の外資規制、会社法制、労働紛争等にも強みを持つ。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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借地借家法等の改正(定期借地権・定期建物賃貸借関係)について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00304.html

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