SH4181 個人情報委員会、事業者向け「データマッピング・ツールキット」の概要 井上乾介/稲村将吾(2022/11/01)

取引法務個人情報保護法

個人情報委員会、事業者向け
「データマッピング・ツールキット」の概要

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業

弁護士 井 上 乾 介

弁護士 稲 村 将 吾

1 はじめに

 個人情報保護委員会は、事業者が保有する多数のデータを管理するための取組であるデータマッピングを開始する際の一助とする目的で、2022年10月13日、「データマッピング・ツールキット」(以下「本ツールキット」という。)を同委員会のウェブサイトにて公表した[1]

 個人情報保護委員会は、IT技術の進展に伴い、個人情報の取扱いが増加している現状を踏まえ、事業者が取得・管理する個人情報を適切に管理する自主的な取組の1つとして、データマッピングによる管理手法を補助する目的で、本ツールキットを作成・公表したとしている。

 本稿では、本ツールキットの概要を紹介し、実務への示唆について述べる。

 

2 本ツールキットの概要

 ⑴ 本ツールキットの構成等

 本ツールキットは3つの章立てで構成される。各章の概要は以下のとおりである。

 

  項 目 備 考
第1章 データマッピングの意義等
  • データマッピングの意義や手順(準備、表作成、確認・対応、更新)等を記載
第2章 データマッピング表の項目等
  • データマッピング表の項目例を記載(本ツールキット別紙1参照)
第3章 データマッピング表の確認・対応
  • 第1章に記載されたデータマッピングの手順である「確認・対応」を詳細に説明(本ツールキット別紙2および別紙3参照)

(出典:本ツールキット2頁)

 

 本ツールキットによれば、データマッピングの導入初期には、本ツールキットの参照を推奨しつつ、最終的には各事業者が事業に沿った内容や方法に修正することが望ましいと指摘している[2]

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(いのうえ・けんすけ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。

 

(いなむら・しょうご)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2014年創価大学法学部卒業。2017年東京大学法科大学院卒業。2019年弁護士登録(第二東京弁護士会)。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2017年一橋大学法学部卒業。2018年弁護士登録(第二東京弁護士会)。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

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