SH4364 公取委、「フィンテックを活用したサービスに関するフォローアップ調査報告書」を公表 深沢篤嗣(2023/03/17)

取引法務資金決済法・デジタル資産

公取委、「フィンテックを活用したサービスに関するフォローアップ調査報告書」を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 深 沢 篤 嗣

 

 2023年3月1日、公正取引委員会(以下「公取委」という。)は、「フィンテックを活用したサービスに関するフォローアップ調査報告書」(以下「本報告書」という。)を公表した。

 これまでも、公取委は、キャッシュレス分野における競争政策上の課題を把握するための実態調査を実施しており、2020年4月には2本の報告書(以下「前回報告書」という。)[1]を公表している。

 今般、公取委では、フィンテックを活用したサービス分野における競争環境を更に改善し、イノベーションの促進と利用者の利便性の更なる向上を図るため、前回調査のフォローアップ調査を実施し、本報告書で次の3点について取りまとめを行った。

  1. ① 家計簿サービス等の分野における取引の状況
  2. ② コード決済市場の状況
  3. ③ 諸外国におけるオープンバンキングに関する制度及び取引の状況

 以下、①及び②につき、ポイントを概説する。

 

1 家計簿サービス等の分野における取引の状況について

⑴ 口座情報へのアクセス範囲

 本報告書では、利用者が、スマートフォン等のアプリに、預金口座やクレジットカードの番号等を登録することにより、預金口座の入出金の動きやクレジットカードの使用状況等の複数の情報が自動的に記録され、一元的にこれらの状況等を確認することができるサービスのことを、「家計簿サービス等」と呼んでいる。

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(ふかざわ・あつし)

岩田合同法律事務所パートナー。2008年慶應義塾大学大学院法務研究科修了。2009年弁護士登録。2013年4月から2014年3月まで、金融庁証券取引等監視委員会取引調査課に出向、インサイダー取引、相場操縦行為等の調査に携わる。金融法務、企業法務等を専門とする。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>

1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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