SH4830 経産省、ソニーグループ株式会社の産業競争力強化法に基づく事業再編計画を認定――パーシャルスピンオフの新たな事案―― 辛島聡(2024/02/28)

取引法務倒産・事業再生

経産省、ソニーグループ株式会社の産業競争力強化法に
基づく事業再編計画を認定
――パーシャルスピンオフの新たな事案――

岩田合同法律事務所

弁護士 辛 島   聡

 

1 はじめに

 経済産業省は、本年2月14日、ソニーグループ株式会社による、その金融事業のパーシャルスピンオフに関しての、産業競争力強化法に基づく事業再編計画の認定を公表した。その内容は、ソニーグループ株式会社が完全子会社ソニーフィナンシャルグループ株式会社の株式の80%超をソニーグループ株式会社の株主に現物配当するというものであり、我が国で初めての、パーシャルスピンオフによる事業再編計画の認定案件である。本稿ではパーシャルスピンオフの意義及びその活用の背景につき解説する。

 

2 スピンオフとは

 そもそもスピンオフとは、自社の特定事業を切り出して設立した新設子会社又は自社の既存子会社の株式を、自社の株主に交付することにより、当該事業又は子会社を自社から切り離して独立させる組織再編取引である。

 

(経済産業省「『スピンオフ』の活用に関する手引」より)

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(からしま・さとし)

岩田合同法律事務所弁護士。1989年早稲田大学法学部卒業。1993年弁護士登録。1997年コロンビア・ロー・スクール修了(LL.M.)。1998年米国NY州弁護士登録。金商法・会社法を中心とした証券業務・企業法務全般を取り扱う。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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経産省、ソニーグループ株式会社の産業競争力強化法に基づく事業再編計画を認定〔パーシャルスピンオフの新たな事案〕
https://www.meti.go.jp/press/2023/02/20240214006/20240214006.html

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