◇SH2152◇法務担当者のための『働き方改革』の解説(12) 大皷利枝(2018/10/22)

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法務担当者のための『働き方改革』の解説(12)

職務等に関連する手当の均衡・均衡待遇の確保

TMI総合法律事務所

弁護士 大 皷 利 枝

 

Ⅴ 職務等に関連する手当の均衡・均衡待遇の確保

 第2章Ⅳで紹介したガイドラインたたき台では、職務や勤務に関連する手当として、役職手当、特殊作業手当、特殊勤務手当、精皆勤手当、時間外労働手当、深夜労働手当及び休日労働手当について記載されている。

 本稿では、このうち、役職手当と特殊作業手当について述べる。

 

1 役職手当

 <ガイドラインたたき台の基本的な考え方>

  1. ● 役職の内容(責任の程度)に対する手当を支給する場合、

    1. ・ 通常の労働者と同一の内容の役職である短時間・有期雇用労働者には、同一の役職手当を支給しなければならない。
    2. ・ 役職の内容に一定の相違があるときは、その相違に応じた役職手当を支給しなければならない。

 

 <ガイドラインたたき台が示している具体的な事例>

[ 問題とならない例 ]

  1. ・ 通常の労働者と同一の役職名で、同一の内容の役職に就く有期雇用労働者に対し、同一の役職手当を支給している。
  2. ・ 通常の労働者と同一の役職名で、同一の内容の役職に就く短時間労働者に対し、所定労働時間に比例した役職手当を支給している。
[ 問題となる例 ]

通常の労働者と同一の役職名で、同一の内容の役職に就く有期雇用労働者に対し、通常の労働者よりも低額の役職手当を支給している。

 

2 特殊作業手当

 <ガイドラインたたき台の基本的な考え方>

通常の労働者と同一の危険度又は作業環境の業務に従事する短時間・有期雇用労働者には、同一の特殊作業手当を支給しなければならない。

 

 第2章Ⅲで詳述したとおり、ハマキョウレックス事件でも、同じ作業に従事する契約社員に作業手当を支給しないことが違法とされている。

 これに対し、一連の日本郵便事件(東京地判平成29・9・14判タ1449号174頁、大阪地判平成30・2・21労判1180号26頁、福岡高判平成30・5・24労経速2352号3頁)では、外務業務に従事した正社員に支給される外務業務手当が、契約社員には支給されないことが適法とされている。しかし、その結論は、外務業務手当が、以前は基本給であったが、正社員の外務職を職種統合した際に、給与額の激変緩和措置として手当化されたものであること、その点について、労使協議がされていること、契約社員が外務業務に従事した場合、別の方法で加算がされており、均衡を失しないことなどの事情があったことによるものである。そのため、たとえば、通常の労働者に対し、外勤のみを理由に支給する手当があれば、外勤する短時間・有期雇用労働者にも、基本的に同一の手当を支給する必要があると考えられる。

 

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