◇SH2613◇国税庁、税務ガバナンスの充実に関する事務実施要領を改正 (2019/06/19)

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国税庁、税務ガバナンスの充実に関する事務実施要領を改正

――トップへの確認項目として「税務方針等の公表」を新設、記載ぶりの変更は随所に――

 

 国税庁は6月10日、平成28年6月14日付査調3-9「税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組の事務実施要領の制定について」(事務運営指針)を今年6月3日付で改正したと同庁ウェブサイト上で公表した。

 併せて、改正後の内容を反映した(1)別添「税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組の事務実施要領」、(2)別紙1「税務に関するコーポレートガバナンスの確認項目の評価ポイント」、(3)別紙2「自主開示等について」、(4)様式1「税務に関するコーポレートガバナンス確認表」、(5)様式2「税務に関するコーポレートガバナンス評価書」、(6)様式3「自主開示事項確認事績整理票」の各資料が公表されている。

 改正前後の変更点については、同日付で発出された一部改正通達:令和元年6月3日付査調3-47「税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組の事務実施要領の一部改正について」(事務運営指針)とともに示された別紙「新旧対照表」が分かりやすい。記載ぶりの変更も随所に及んでおり適宜参照されたいところであるが、主な新設項目としては、ア)別紙1(公表資料中の上記(2)をいう。以下同様)における「1 トップマネジメントの関与・指導」中の「③ 税務方針等の公表」、イ)別紙1・末尾における「【その他】」、ウ)別紙2・末尾における「提出要請資料一覧表」、エ)様式1における「1 トップマネジメントの関与・指導」中の「③ 税務方針等の公表」、オ)様式1における「【参考】直近の変更事項等」、カ)様式1・後段「確認表記載要領」における「1 トップマネジメントの関与・指導」中の「③ 税法遵守や適正な納税に向けた社内体制の整備、適正なグループ内取引等の実施などを明記した税務方針やタックスポリシー等の公表状況(内容、時期等)」、キ)様式1・後段「確認表記載要領」における「【参考】直近の変更事項等」の7点が挙げられる。

 これらのうち、上掲アの「③ 税務方針等の公表」は「1 トップマネジメントの関与・指導」に関する確認項目として新設されたもので、具体的な評価ポイントは「企業(グループ)としての税務に対する取組方針を明確化するため、税務方針やタックスポリシー等の公表状況を確認する」ものとされている。同欄に掲出される「(取組事例)」としては、「税法遵守、適正納税に向けた体制整備、適正なグループ内取引の実施などを明記した税務方針を社訓等とは別に策定し、その内容をホームページに掲載」する例が添えられた。上掲エの新設および上掲カの「確認表記載要領」における新設は、この上掲アの「③ 税務方針等の公表」新設に対応するもの。

 また、上掲イの「【その他】」では、新たに判定項目として「1 税務調査への対応(調査中の質問等に対する回答、証ひょう類の提出等)」「2 帳簿書類等の保存(帳簿書類、原始記録の保存)」を掲げる。評価ポイントはそれぞれ、「1」について「税務調査の際の質問等に対する回答、証ひょう類の提出状況や事業部門担当者等へのヒアリングや現場確認等の対応状況を確認する」、「2」について「帳簿書類(総勘定元帳、補助簿等)及び原始記録(海外支店等の分も含む。)の保存状況(保存期間、保存方法、保存場所)を確認する」ものとされた。

 上掲ウの「提出要請資料一覧表」は「……ほか、国税当局から提出を要請する資料は、提出要請資料一覧表のとおりです」とする文言とともに新設されたもので、「以下に記載する資料の提出をお願いいたします」として「資料名」「媒体(編注・「紙」または「電子データ」などと記入される)」「提出日」が記載される様式となった。

 上掲オの「【参考】直近の変更事項等」では、確認項目として「① トップマネジメントの交代の有無及びその状況(交代者、時期)」「② 大規模な事業部再編、合併等組織再編の有無及びその概要」を新たに掲げている。これを受け、「確認表記載要領」についても「【参考】直近の変更事項等」に関して追記したのが上掲キとなる。

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