◇SH2673◇企業活力を生む経営管理システム―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―(第47回) 齋藤憲道(2019/07/18)

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企業活力を生む経営管理システム

―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―

同志社大学法学部
企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

3.販売(役務提供を含む)、流通、クレーム・製品事故対応

(5) アンチ・ダンピング措置に対応する(該当する場合)

・ 該当品の生産拠点を外国に移転する等、積出国を変更することを検討する。

  迂回輸出は避ける。

  価格約束(プライス・アンダーテイキング)[1]の適用を検討する。

 

4.代金回収(営業、経理)          

 事業は、売上代金を回収してはじめて成り立つ。この業務は、主として営業と経理が連携して行う企業が多い。

 代金の回収には、次のように様々な方法がある。

  1. ・ 国内取引代金の回収方法(例)
  2.   現金、手形・小切手、郵便為替、銀行振込、代金引換(代引き)、電子マネー決済(プリペイド方式)、クレジットカード決済(電子マネー決済を含む)、銀行ネット決済[2]、自動引き落とし(銀行口座、クレジットカード)、コンビニ決済、携帯キャリア決済[3]
  3. ・ 貿易取引代金の回収方法(例)
  4.   外国為替送金(電信・小切手、前払い・後払い)、L/C[4]付きの荷為替手形決済、L/C無しの期限付き荷為替手形決済(D/A[5]、D/P[6]
    (注) 法律上可能な場合は、「相殺」による支払い・回収が可能。

 企業は、これらの回収方法の中から、(1)商品の特性(物品、書籍・音楽・映像・ゲーム等のデジタルコンテンツ配信、サービス利用、エネルギー使用等)、(2)販売方法(企業間取引<国内、貿易>、企業-消費者間取引<店舗販売、通信販売、ネット販売等>)、(3)購入者・利用者の特徴(個人・企業、少数・多数、所在地、支払能力、貸倒れリスク等)、(4)回収時期・分割の可否(先払い・引渡時・後払い、一括払い・分割払い)等を考慮して適切な方法を一つ(又は複数)選択し、契約・約款で規定する。

 売上先の資金繰りが悪化した兆候を察知した時は、売上債権を減らすか、相応の担保を取るのが基本である。

 〔債権を少なくする方法〕取引額を縮小する。現金払いにする。回収頻度を増やして売掛金を少なくする。

 代金回収に関する主な管理項目を次に示す。

(1) 与信管理、担保設定を行う

・ 売上代金回収(現金、振込、手形・小切手、相殺、外為、L/C)の管理は厳しく行う。

・ 回収の見込みが少ない融資や売掛金増加を行った者は、背任罪・特別背任罪に問われることがある。

・ 取引先が破産した場合は、裁判所の破産手続きの中で配当を得る。

  破産申し立てまでにどれだけ回収できるか(担保権を含めて)が問題で、日常の取引先管理が重要である。



[1] 一定価格以上で輸出することを約束する。

[2] インターネットバンキングの登録者が利用できる。

[3] 電話料金徴収システムを利用して少額支払いが可能。利用限度額は少額(1万円、3万円、5万円等)で、キャリア会社が利用者毎に設定する。

[4] Letter of Credit(信用状)

[5] Documents against Acceptance(手形引受書類渡し。略称、引受渡)手形が引き受けられたら船積書類を引き渡す。

[6] Documents against Payment(手形支払書類渡し。略称、支払渡)手形が支払われたら船積書類を引き渡す。

 

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