国交省、「ESG不動産投資のあり方検討会」の中間とりまとめを公表
――「我が国不動産へのESG投資の促進に向けて」――
国土交通省は7月3日、「ESG不動産投資のあり方検討会」の中間とりまとめを公表した。
人口減少や少子高齢化、地球温暖化対策、防災減災等の喫緊の諸課題に対応した不動産の形成を進めるためには、不動産投資市場の魅力を高め、ESGやSDGsに沿った中長期的な投資を多様な投資家から安定的に呼び込むための環境整備が必要とされているところである。
国土交通省では、不動産投資におけるESGやSDGsのあり方及び取り組みの推進のための検討を行うことを目的として、今年2月に「ESG不動産投資のあり方検討会」(座長=中川雅之・日本大学経済学部教授)を設置し、これまで4回にわたり議論を行った成果を、「中間とりまとめ――我が国不動産へのESG投資の促進に向けて――」として公表したものである。
中間とりまとめのポイントと構成は、次のようになっている。
中間とりまとめのポイント
- ○ リスク・リターンの二軸のみを踏まえた投資から、社会的なインパクトという第三軸目も意識した投資を行う必要。
- ○ 中長期的に踏まえなければならない内容として、5つの分野(気候変動への対応、健康性・快適性の向上、地域社会・経済への寄与、災害への対応、超少子高齢化への対応)を例示。
- ○ 提供される情報のあり方の改善等による、市場メカニズムを通じた課題解決の実現に向けての官民の取り組みが必要(外部性の内部化)。
- ○「何が重要か(マテリアリティ)」を特定し、それを踏まえた情報開示に努めることが必要。
- ○ ガバナンスの確保は、不動産の開発・運用・投資における中長期なパフォーマンスを確保する上での重要な要素。
- ○ 政府・関係機関は、中長期的な収益確保にも資する不動産へのESG投資を促進すべきという市場への明確なメッセージを発信。市場の外部性を内部化するための情報開示の標準化などの必要な手立てや、必要に応じて税・補助スキームや公的融資などによる支援を検討。
中間とりまとめの構成
Ⅰ 総論
1 はじめに
2 現状と課題
2-1 ESG投資・SDGs等に関する国際的な動向
2-2 非財務情報の開示に関するフレームワーク
2-3 我が国におけるESG投資・SDGsに関する主な動き
2-4 課題
3 「不動産へのESG投資」の促進に向けて
3-1 不動産市場・不動産投資市場における本報告書の役割(シグナリングとしての役割)
3-2 「不動産へのESG投資」における基本的な考え方
3-3 具体的な取組の方向性
4 国と関係機関の役割
4-1 不動産開発・運用・投資に関する最近の主な取組
4-2 政策的支援の考え方・方向性
4-3 当面検討すべき支援策
4-4 ESG投資・SDGsに関する世界各国の動き等への対応
Ⅱ 分野別の取組
Ⅲ おわりに~不動産へのESG投資の促進に向けて~
国交省、ESG不動産投資のあり方検討会、中間とりまとめ策定(3日)
http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo05_hh_000178.html
○ 中間とりまとめ(ポイント)
https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2019/07/001296848.pdf
○ 中間とりまとめ(概要)
https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2019/07/001296849.pdf
○ 中間とりまとめ(本文)
https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2019/07/001296850.pdf
○ 中間とりまとめ(資料編) 総論
https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2019/07/001296854.pdf
○ 中間とりまとめ(資料編) 分野別の取組
https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2019/07/001296855.pdf
○ ESG不動産投資のあり方検討会の開催状況
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000198.html