◇SH2678◇個人情報保護法「いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」の意見募集結果が公表される――提出意見数は計525件、「利用停止等」への意見が最多で65件 (2019/07/19)

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個人情報保護法「いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」の意見募集結果が公表される

――提出意見数は計525件、「利用停止等」への意見が最多で65件――

 

 個人情報保護委員会(嶋田実名子委員長)は7月9日、「個人情報保護法  いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」(以下「中間整理」という)に対して寄せられた意見を取りまとめ、意見募集結果として公表した。

 中間整理は個人情報保護法における3年ごとの見直し規定を踏まえて委員会が具体的に進めてきた検討状況を中間的に整理したもので、4月25日の公表後、5月27日までの間、任意の意見募集を行っていた。その第3章に「個別検討事項」を掲げており、具体的には次の6点が示されていたものである。(1)個人情報に関する個人の権利の在り方(第3章第1節、以下同様)、(2)漏えい報告の在り方(第2節)、(3)個人情報保護のための事業者における自主的な取組を促す仕組みの在り方(第3節)、(4)データ利活用に関する施策の在り方(第4節)、(5)ペナルティの在り方(第5節)、(6)法の域外適用の在り方及び国際的制度調和への取組と越境移転の在り方(第6節)。なお、意見募集期間中に開催された個人情報保護委員会における有識者ヒアリングと、当該ヒアリングでの上記(4)および(5)に関する意見状況等については、SH2579「個人情報保護法の「いわゆる3年ごと見直し」で意見聴取が進む(2019/06/04)」を参照されたい。

 意見募集結果によると、137の団体・事業者または個人から延べ525件の意見が寄せられたという。特に意見の件数が多かったものは、①利用停止等(65件。上記(1)の「3. 利用停止等に関する状況」関係)、②オプトアウト・名簿屋(43件。上記(1)の「4. オプトアウト規定と名簿屋対策の状況」関係)、③漏えい報告(35件。上記(2)関係)、④ターゲティング広告(36件。上記(4)の「4. ターゲティング広告」関係)であった。

 これらのうち、①の「利用停止等」とは、たとえば「事業者からの勧誘をやめてほしい」「自分の個人情報を消去して欲しい」といった個人の要請に基づく情報の利用の停止または消去を意味するが、中間整理によると「利用停止等に応じる義務を課されているのは、個人情報を目的外利用したときや、不正の手段により取得した場合に限られている。このほか、第三者提供の停止の請求に応じる義務があるのも、法の規定に違反して第三者提供されている場合に限られている」(中間整理12頁参照)状況となっている。

 中間整理に寄せられた意見から、主だった団体の意見をみると(意見番号41・意見募集結果15/173頁(以下、単に15頁などという)以下参照。掲出した意見はいずれも一部を抜粋している)、「(製品事故や表示ミス等によるリコール情報を迅速にお客様にお届けすることを心掛けており)お客様からの権利主張により確定的に保有個人データを消去しなければならないとされることには異議がある」(公益社団法人日本通信販売協会)、「インターネット取引の急激に拡大している状況において、要請があれば原則利用停止等に応じることを義務化しなければ、取引の安全が確保されません」(公益社団法人全国消費生活相談員協会 関東支部)、「利用停止等に関して個人の権利の範囲を広げる見直しの方向性については、社会認識としては妥当と考える。しかしながら、利用停止等の拡大範囲については、EUのGDPRも参考にしつつ、保護と利活用のバランスを十分に考慮した範囲にして頂きたい。また、権利の濫用等によって事業者に過度な負担が生じないよう、慎重な検討をお願いしたい」(JEITA個人データ保護専門委員会)、「本人による利用停止等の請求を、事業者が個人情報を適法に取得・利用している場合にまで法令で一律に認めると、個人データの利用に関する事業者の予見可能性を低下させ、個人データの活用を妨げることが懸念される」(日本経済団体連合会情報通信委員会企画部会)、「すべてにおいて利用停止等(利用の停止または消去)を認めた場合、クレジット業界においては適正な与信に支障を及ぼしサービスを提供できなくなることや事業者にも著しい影響がかかり、適正な業務遂行が困難となることが想定される」(一般社団法人日本クレジット協会)、「保険金支払における関係当事者から利用停止・削除の請求が過度に認められ、一当事者からの要請でデータを削除せざるを得ない場合、損害の調査等に必要な情報を網羅的に把握することが困難になり、円滑な保険金支払に支障を来し顧客利便を損なう懸念がある」(一般社団法人日本損害保険協会)、「自己情報コントロール権の保障を個人情報保護法の目的として明確にするとともに、本人の望まない利用の停止請求権や漏えいの本人への通知義務を明記すべきです」(共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会)などとなっており、「利用停止等については、消費者側からの根強い要望に対して、個人の権利を保護していく観点からどのようにすれば一定の対応が可能か、企業側の実態も踏まえつつ、具体的に検討していく必要がある」(中間整理第3章第1節「5. 検討の方向性」「(4)利用停止等」参照)との視点の重要性がここに浮彫りになったといえる。

 なお、上記(4)データ利活用に関する施策の在り方(中間整理第3章第4節)に関して、「匿名加工情報制度」に対する意見については意見募集結果における意見番号275〜287・意見募集結果102〜105頁に、「仮名化」については意見番号288〜316・意見募集結果106〜117頁に、また(5)ペナルティの在り方(中間整理第3章第5節)に係る「ペナルティ」については意見番号374〜394・意見募集結果133〜137頁にそれぞれ掲載されている。適宜参考とされたい。

 

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