◇SH2693◇ユニゾホールディングス、エイチ・アイ・エスによる公開買付けで特別委員会を設置――事前協議なく開始されたTOBに対応、社外取締役5名全員が委員に就任 (2019/07/26)

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ユニゾホールディングス、エイチ・アイ・エスによる公開買付けで特別委員会を設置

――事前協議なく開始されたTOBに対応、社外取締役5名全員が委員に就任――

 

 東京都心でのオフィスビル賃貸事業を主軸にビジネスホテル事業を全国展開するユニゾホールディングス(本社・東京都中央区、東証第一部上場。以下「ユニゾHD」という)は7月16日、同社普通株式を対象としてエイチ・アイ・エス(本社・東京都新宿区、東証第一部上場。旅行事業大手、ホテル事業を拡大中)が公開買付けを実施していることを受け、本公開買付けに係るユニゾHDの意見を表明するに当たって特別委員会を設置することを同日開催の取締役会で決議したと発表した。

 エイチ・アイ・エスによる本公開買付けは7月10日に公表、翌11日に公開買付開始公告がなされ(同日付で公開買付届出書も提出)、8月23日までの30営業日を届出当初の買付期間としている。買付け等の価格は1株3,100円、買付予定数およびその上限は13,759,700株(買付け等後における株券等所有割合にして45.00%)、買付代金は42,655百万円。応募株券等の総数が買付予定数の上限以下の場合には全部の買付け等を行い、応募株券等の総数が買付予定数の上限を超える場合には、その超える部分の全部または一部の買付け等を行わないものとし、法令に定めるあん分比例の方式により受渡しその他の決済を行う。

 エイチ・アイ・エスによると、同社はユニゾHDに対し、2018年12月中旬から2019年4月中旬にかけて資本提携を含む業務提携の可能性について協議するために複数回の面談申入れを行ったが、ユニゾHDはこれに応じることはなく、このような経緯に鑑み、本公開買付けの実施についても開始に先立ってユニゾHDとの協議は行っていない。2018年9月下旬以降においては市場内取引により断続的に株式取得してきており(取得価格は1株1,942円〜2,409円)、2019年4月下旬、本公開買付けの公表日現在において所有する1,639,500株(所有割合4.79%)を保有するに至った。

 買付予定数の決定に際してエイチ・アイ・エスとしては、1)ユニゾHDのブランドを活かし、その経営の独立性を確保すること、2)ユニゾHDに対し株主としての影響力を持つことを背景として本格的な協議に進むためには、会社法上の特別決議の拒否権を確保する程度以上の普通株式を取得することが必要であると考えたことなどを説明している。

 また、本公開買付価格については第三者機関への株式価値算定依頼を経て(本公開買付価格の妥当性に関する意見書〔フェアネス・オピニオン〕は取得していない)、ア)公表日の前営業日である7月9日の東証第一部における終値1,990円に対して55.78%、イ)7月9日までの過去1か月間の終値の単純平均値1,894円に対して63.67%、ウ)同様に過去3か月間の終値の単純平均値1,893円に対して63.76%、エ)同様に過去6か月間の終値の単純平均値2,002円に対して54.85%ーーのプレミアムをそれぞれ加えた金額とした。なお、エイチ・アイ・エスのウェブサイトのトップページには7月10日付で「公開買付け開始に関する専用サイトはこちら」とする告知が目立つように掲げられており、そのリンク先となる専用サイトでは問合せ先である各種電話番号を含めた情報を集約するようにしている。適宜参考とされたい。

 一方のユニゾHDは7月10日、エイチ・アイ・エスによる本公開買付けの公表に対して「何らの連絡もなく一方的かつ突然に行われたものです」と表明しつつ、a)関連情報を今後精査したうえで速やかに当社の見解を公表する予定であることを示し、b)株主においては同社から開示される情報に十分留意し、慎重に行動してほしい旨を要請。また、c)本公開買付けに関する同社の意見は決定次第、改めて発表するとしていた。

 7月16日の特別委員会の設置に関する発表は以上のような経緯を踏まえたもので、ユニゾHDによれば、その設置目的について「本公開買付けが当社との事前の協議なく開始されたものであることを踏まえ、本公開買付けに係る当社の意見を表明するにあたり、当社取締役会の意思決定過程における恣意性のおそれを排除し、その公正性及び透明性を確保することを目的とします」と述べている。同社において独立性を有する社外取締役のみにより構成される本特別委員会は、同社社外取締役の全員が委員に就任。元福岡高裁長官を務めた弁護士、元警視総監、元三井不動産幹部2名、元Mizkan Holdings代表取締役社長の5名からなる。

 同委員会では、①本公開買付けがユニゾHDの企業価値向上に資するか否か、②本公開買付けに係る対価の公正性などを検討のうえ、これらを踏まえた本公開買付けの是非を判断する。なお、先般取りまとめられた経済産業省「公正なM&Aの在り方に関する指針」(2019年6月28日)によると、このような場合の「特別委員会は、基本的には、買収者および対象会社・一般株主に対して中立の第三者的な立場ではなく、対象会社および一般株主の利益を図る立場に立って当該M&Aについて検討や判断を行うことが期待されるものであ」る点、注意が必要である。

 ユニゾHDでは、特別委員会の答申内容を踏まえたうえで同社の意見を決定する方針。答申の概要および本公開買付けに係る同社の意見は決定次第、改めて発表するものとした。

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