◇SH2804◇経産省、JIS規格の9月分改正で顧客満足取組みの指針をISO改正に対応――日本産業規格 Q10001など、行動規範・苦情対応・紛争解決の3指針 (2019/10/02)

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経産省、JIS規格の9月分改正で顧客満足取組みの指針をISO改正に対応

――日本産業規格 Q10001など、行動規範・苦情対応・紛争解決の3指針――

 

 経済産業省は9月20日、定例のJIS規格制定・改正に関する9月分の発表において、「組織の顧客満足に関わる取組みのための指針」として ISO(国際標準化機構)から発行されている ISO 10001、ISO 10002、ISO 10003の改正を受け、対応するJIS規格「JIS Q10001」「JIS Q10002」「JIS Q10003」を改正したと発表した。

 日本工業規格として親しまれてきたJISは、平成30年の通常国会で可決・成立した「不正競争防止法等の一部を改正する法律」(平成30年5月30日法律第33号)による工業標準化法の改正により、同法の法律名が産業標準化法に改められるとともに、JIS自体も今年7月1日から「日本産業規格」へと変更されている。情報技術の革新や業種を超えた国際標準化を背景として、標準化の対象の「データ」「サービス」「経営管理」等への拡大、JISの制定等の民間主導による迅速化、JISマークの信頼性確保のための罰則強化(法人等に対する罰金刑の上限を100万円から1億円に引上げ)、官民の国際標準化活動の促進が図られたもので、伴って、JISマーク表示制度・JNLA制度関連の命令・省令・告示も改正等されており、留意しておきたい。

 今般、JISについて制定5件・改正15件が発表されたところ、経産省において「中でも、以下のJISの制定・改正は特に重要」であるとして上掲の規格番号 Q10001・Q10002・Q10003の3規格につきアナウンスしたもので、規格名称は順に「品質マネジメント―顧客満足―組織における行動規範のための指針」「品質マネジメント―顧客満足―組織における苦情対応のための指針」「品質マネジメント―顧客満足―組織の外部における紛争解決のための指針」である。

 各指針はそれぞれ、Q10001:組織の顧客満足行動規範の計画、設計、開発、実施、維持および改善のための指針、Q10002:組織内部における製品およびサービスに関連する苦情プロセスについての指針、Q10003:組織内部で解決されなかった苦情に対する効果的かつ効率的な紛争解決プロセスについての指針ーーを定めているもので、改正のポイントとして次の3点が挙げられた。①基本原則における「公開性」→「透明性」、「正確性」→「情報の完全性」への変更、3規格間の原則の整合性の見直し、②枠組みにおける「組織の状況」の考慮の追加、「リーダーシップ」の重要性をより強調する内容への更新、③苦情対応および紛争解決におけるリスクおよび機会への取組みの例、マネジメントレビューでのその有効性の評価など、リスクおよび機会への取組みに関する記述の追加(詳細については、日本産業標準調査会ウェブサイトにおけるJIS検索により参照できる)。

 経産省では、今般の改正を「これらのJIS規格を参照し、組織が構築する品質マネジメントシステムの一要素として、有効かつ効率的に行動規範、苦情対応及び紛争解決プロセスを確立することで、顧客満足及び企業評価の維持・向上に活用されることが期待されます」と位置付けている。

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