◇SH2857◇政府、台風19号を特定非常災害に指定――金融庁の「有価証券報告書等の提出期限に係る措置」等の特別措置(2019/10/30)

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政府、台風19号を特定非常災害に指定

――金融庁の「有価証券報告書等の提出期限に係る措置」等の特別措置―

 

 政府は10月18日、「令和元年台風第19号による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」(令和元年政令第129号。以下「政令」)を閣議決定の上、公布・施行し、台風19号を「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」(平成8年法律第85号。以下「法」)の「特定非常災害」に指定した。

 同政令により、以下の特別措置が適用されることとなる(後掲の「被災者のみなさまへ」等参照)。

  1. ⑴ 行政上の権利利益の満了日の延長(法3条、政令3条)
  2.   特定非常災害の被害者が、自動車運転の免許のような有効期限のついた許認可等の行政上の権利利益について、更新等のために必要な手続をとれない場合があることを考慮して、許認可等に係る有効期限を令和2年3月31日まで延長することができること。
     
  3. ⑵ 期限内に履行されなかった行政上の義務の履行の免責(法4条、政令4条)
  4.   事業報告書の提出、薬局の休廃止等の届出のような履行期限のある法令上の義務が、特定非常災害により本来の履行期限までに履行されなかった場合であっても令和2年1月31日までに履行された場合には、行政上および刑事上の責任を問われないとすること。
     
  5. ⑶ 法人の破産手続開始の決定の特例(法5条、政令5条)
  6.   特定非常災害により債務超過となった法人に対しては、支払不能等の場合を除き、令和3年10月9日まで破産手続開始の決定をすることができないこと。
     
  7. ⑷ 相続の承認または放棄すべき期間の特例(法6条、政令6条)
  8.   特定非常災害発生日(令和元年10月10日)において、台風19号に際し災害救助法が適用された区域に住所を有していた相続人については、相続の承認または放棄をすべき期間を令和2年5月29日まで伸長すること。
     
  9. ⑸ 民事調停法による調停の申立ての手数料の特例(法7条、政令7条)
  10.   特定非常災害発生日において、台風19号に際し災害救助法が適用された区域に住所等を有していた者が、今般の災害に起因する民事に関する紛争について、令和4年9月30日までの間に民事調停法による調停の申立てをする場合には、申立手数料を不要とする。

 台風19号については、各省庁において被災者・被災企業への対策を講じており、たとえば厚生労働省は「令和元年台風第19号による被害に伴う派遣労働に関する労働相談Q&A」、経済産業省は中小企業等対策について公表しているところである(後掲の別稿参照)。

 金融庁でも、10月16日に「令和元年台風第19号の影響による有価証券報告書等の提出期限について」を公表し、下記のように有報等の提出期限の延長等が認められることとしていた。

  1. ① 金融商品取引法に基づく開示書類(有価証券報告書および内部統制報告書、四半期報告書、半期報告書)について、台風19号の影響に伴って、やむを得ない理由により期限までに提出できない場合は、財務(支)局長の承認により提出期限を延長することが認められる。
  2. ② 臨時報告書についても、台風という不可抗力により臨時報告書の作成自体が行えない場合には、そのような事情が解消した後、可及的速やかに提出することで、遅滞なく提出したものと取り扱われる。

 特定非常災害に指定されたことに伴い、金融庁は10月18日、「令和元年台風第19号に関連する有価証券報告書等の提出期限に係る措置について」を公表した。

 

▽ 令和元年台風第19号に関連する有価証券報告書等の提出期限に係る措置について(金融庁・10月18日)

  1. ○ 今般の台風を受けて「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」に基づく「令和元年台風第19号による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」が本年10月18日に閣議決定及び公布・施行されました。同政令により、特別措置として、今般の台風の影響により、有価証券報告書及び内部統制報告書、四半期報告書等の金融商品取引法に基づく開示書類を本来の提出期限までに提出することができなかった場合であっても、令和2年1月31日までに提出すれば、行政上及び刑事上の責任を問われないこととなります。本来の提出期限までに開示書類が提出できないおそれがある場合には、所管の財務(支)局にご連絡をお願いいたします(なお、この場合には、提出期限延長のための財務(支)局長への承認申請は不要です)。
  2.  
  3. ○ なお、令和2年1月31日になっても、引き続き、開示書類を提出することができないような状況にある場合には、本年10月16日に公表いたしました通り、所管の財務(支)局長の承認により提出期限をさらに延長することが認められていますので、ご遠慮なく所管の財務(支)局までご相談ください。
  4.  
  5. ○ また、提出期限の確定しない臨時報告書については、台風という不可抗力により臨時報告書の作成自体が行えない場合には、そのような事情が解消した後、可及的速やかに提出することで、遅滞なく提出したものと取り扱われることとなります。 

 この他、法務省のサイトでは、「令和元年台風第19号について」のページを随時更新しており、以下のような情報を掲載している。

  1. 【民事調停・債務整理】
  2. ・ 民事調停の申立手数料の特例措置
  3. ・ 令和元年台風第19号により借金等の返済が困難となった被災者の方へ
  4. ・ 令和元年台風第19号の被災者である相続人の方々へ
     
  5. 【登記関係】
  6. ・「令和元年台風第19号に伴う災害」により土地・建物の権利証(登記済証・登記識別情報通知書)を紛失した場合について
  7. ・ 令和元年台風第19号により登記の申請をすべき期間に登記の申請ができなかった場合について

 

  1. 総務省、「令和元年台風第19号による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」の公布・施行について(10月18日)
    http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyokan01_02000095.html
  2. ○ 令和元年台風第十九号による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令
    https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2019/10/000650355.pdf
  3. ○ 被災者のみなさまへ(内閣府・総務省・法務省)
    https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2019/10/000650508.pdf
  4.  
  5. 金融庁、令和元年台風第19号に関連する有価証券報告書等の提出期限に係る措置について(10月18日)
    https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/20191018-1.html
  6. ○ 令和元年台風第19号に関連する有価証券報告書等の提出期限について(10月16日)
    https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/20191016-1.html
  7.  
  8. 法務省、令和元年台風第19号について
    http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/saigai191017.html
  9.  
  10. SH2841 厚労省、「令和元年台風第19号による被害に伴う派遣労働に関する労働相談Q&A」を公表――派遣労働者、派遣会社および派遣先からの派遣労働に関する労働相談について(2019/10/23)
    https://www.shojihomu-portal.jp/article?articleId=10155869
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