◇SH2972◇三菱電機、一連の労務問題を巡り社長直轄の再発防止プログラムを発表――職場の風土改革「特にパワーハラスメント行為を絶対に許さない職場づくり」に注力 (2020/01/22)

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三菱電機、一連の労務問題を巡り社長直轄の再発防止プログラムを発表

――職場の風土改革「特にパワーハラスメント行為を絶対に許さない職場づくり」に注力――

 

 三菱電機(本社・東京都千代田区、東証市場第一部上場)は1月10日、「労務問題の再発防止に向けた取り組みについて」と題するニュースリリースのなかで「三菱電機 職場風土改革プログラム」等の再発防止策を発表した。

 同社では本リリースの冒頭で述べられるように従業員の生命や心身の健康に係る労務問題が継続して発生しており、「都度、再発防止策を講じてきましたが……これまでの取り組みが十分でなかったという深い反省に立ち、新たな施策も含めて再発防止策をまとめ」た。「ハラスメント対策・メンタルヘルス対策を含めた職場の風土改革」「長時間労働の抑制・適正な労働時間管理」が一層重要であるとの認識のもと、全社一丸となって諸施策に取り組んでいくとともに、関係会社においても同社の考え方を改めて共有して取り組んでいくと表明している。

 具体的な施策としても「1.職場の風土改革」「2.長時間労働の抑制・適正な労働時間管理」の2点について掲げており、「2」では、これまで①モバイルパソコンの全社員配布、②オンライン会議設備の充実、③在宅勤務制度の拡大などの環境整備を行ってきたこと、また、④入退場時刻や⑤パソコンのログオン・ログオフ時刻など客観データから労働時間を自動算出するなど実態との乖離がない時間管理に努めてきたことを説明したうえで、一定の成果が出ていると評価。今後はさらに実効性を高めていくとするほか、従業員の健康配慮措置を確実に実施していくとした。

 上記「1.職場の風土改革」に関して編まれたのが「三菱電機 職場風土改革プログラム」であり、「特にパワーハラスメント行為を絶対に許さない職場づくりに注力します」とする宣言を添え、本プログラムを「社長直轄のプロジェクト活動」として強力に推進していく。

 実施事項としては(1)パワーハラスメントをはじめとするハラスメント教育の強化および管理職等の任命時の見極め強化、(2)意識調査を活用した定量的な職場風土分析と、分析結果に基づく継続的な改善の実行、(3)個々人の負荷やメンタルの状況を早期に把握・対応するための施策の充実、(4)メンタルヘルス不調者への適切なケアの徹底、(5)相談窓口の充実(複線化)等の5項目を取り上げた。

 今般の焦点となる(1)を仔細にみると、主な施策は次の4つとなっている。①ハラスメント教育の内容を充実するとともに、受講対象を全社員に拡大する。②新入社員配属時の管理職・教育担当研修に、ハラスメントの視点を充実させ、より適切な育成指導を徹底する。③管理職をはじめ、指導的立場となる者を任命する際、労務管理に対する基本的な考え方(ハラスメント行為の理解等)を有しているか十分に見極める。④パワーハラスメント行為者に対して厳正な処分を行うことを全社員にあらためて周知・徹底する。

 また、上記(3)では早期の把握・対応策とし、次の2つを挙げている。①個々人の負荷や職場内の人間関係、ストレスの状況などを確認するアンケートを毎月実施し、意識の変化を早期に掴み対処する。②新入社員の職場への配属後、人事部門との定期的な面談機会を増加させる。

 同社では再発防止策の発表にあたり、「労務問題の再発防止を経営の最優先課題とし、社員全員が心身の健康を維持し、安心していきいきと働ける職場環境の実現にグループを挙げて全力で取り組んでまいります」とコメントしている。

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