◇SH0222◇消費者庁、ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツに対する景品表示法に基づく措置命令 坂本雅史(2015/02/18)

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消費者庁、ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツに対する景品表示法に基づく措置命令

岩田合同法律事務所

弁護士 坂 本 雅 史

 消費者庁は、2月4日、株式会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツに対し、同社が運営する「仙台ロイヤルパークホテル」及び同ホテル内で運営する飲食店において提供していた料理について、景品表示法に違反する行為(優良誤認)が行われていたとして、措置命令を発した。

 景品表示法(正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」という。)は、消費者の適正な商品選択を妨げる不当な表示行為として、優良誤認表示(同法4条1項1号)、有利誤認表示(同項2号)及びその他内閣総理大臣が指定する誤認のおそれがある表示(同項3号)を禁止している(図1)。今回問題となったのは、優良誤認表示のうち、当該商品の内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示に関するものである。

 消費者庁が認定した優良誤認に関する行為は、上記ホテル及びホテル内の飲食店において提供していた料理のメニューにおいて、①岩礁等に自生する岩のりを使用しているかのような記載をしていたにもかかわらず、実際には養殖のりを使用していたこと、②黒毛和牛を使用しているかのような記載をしていたにもかかわらず、実際には農林水産省のガイドラインに定められた和牛の定義に該当しない牛肉が使用されていたこと、の2点である。これに対し、消費者庁が行った措置命令の内容は、(a)上記①及び②の事実が優良誤認に該当し、景品表示法に違反するものであることを一般消費者に周知徹底すること[1]、(b)再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること、(c)今後、同様の表示を行わないこと、の3点である。

 今回のような食品に関する優良誤認表示は、平成25年秋頃、多数の大手ホテル・レストランにおいて、メニューで表示された食材とは異なる食材が使用されていたとして、連日報道が行われるなど、全国的な問題になったことが記憶に新しい。本件もその一例といえよう。

 このような「食の表示に関する問題」を受けて、消費者庁は、平成26年3月「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について[2]」を発表し、食品表示に関する一定の規制方針を明らかにしており、同年6月には、関係省庁間の連絡や都道府県知事の権限強化及び事業者に対する商品・サービスの表示が適正に行われるような体制整備の義務付けを目的とする景品表示法の改正が行われた。6月の改正では課徴金納付命令に関する規定は盛り込まれなかったものの、同年11月に優良誤認表示及び有利誤認表示に対して課徴金納付命令を課すことのできる規定を設ける改正法が成立している。そのため、優良誤認表示や有利誤認表示に対しては、今後は措置命令だけでなく、課徴金納付命令も課される予定である。なお、課徴金納付命令に関する改正法の施行は、公布の日(平成26年11月27日)から起算して1年6月以内の政令で定める日からとされており、実際の施行日は現時点では未定である。

 今後、課徴金の納付というより直接的で重大なペナルティが課せられるようになることからすると、消費者庁が公表した上記考え方に従ったメニュー表示を行うなど、事業者には、商品・サービスの表示に対するより一層の注意が求められる。


 

(図1 景品表示法における不当な表示に関する規律)

※消費者庁のHPから引用

http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/hyoji/hyojigaiyo.html



[1] これを受け、同社は、ホームページ上に「消費者庁からの措置命令に関するお詫びとお知らせ」と題する周知文書を掲載している(http://www.royalparkhotels.co.jp/information2015.pdf)。また、同社は、当該優良誤認表示のあったメニューを注文した消費者に対して、ホテル利用券を配布する等の対応を採っている。

(さかもと・まさふみ)

岩田合同法律事務所アソシエイト。熊本県生まれ。2009年熊本大学法科大学院修了。2011年判事補任官(東京地方裁判所)。2014年「判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律」に基づき弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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