◇SH0454◇消費者契約法専門調査会のポイント(第18回)児島幸良/粟生香里(2015/10/26)

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消費者契約法専門調査会のポイント(第18回

森・濱田松本法律事務所

弁護士 児島 幸良

弁護士 粟生 香里

 

 平成27年10月16日、内閣府消費者委員会において、第18回消費者契約法専門調査会が開催された。以下、その概要を報告する。なお、本報告において、意見に亘る部分は、すべて報告者らの私見である。

 

1. 配布資料

 以下の資料が配布された。

  配布資料

  資 料1   消費者契約法専門調査会の当面の予定(案)

  資 料2   一般社団法人全国銀行協会提出資料
     2-1 消費者契約法専門調査会「中間取りまとめ」に対する意見
     2-2 消費者契約法の規律等の在り方について
     2-3 仮に不当条項にあたると判断されると実務上影響が及ぶと考えられる条項等

  資 料3   日本証券業協会提出資料
     3-1 消費者契約法専門調査会の中間とりまとめに関する意見について
     3-2 消費者契約法専門調査会の中間とりまとめに関する意見について(説明資料)

  資 料4   一般社団法人生命保険協会提出資料
     4-1 消費者契約法専門調査会「中間取りまとめ」に関する意見
     4-2 「消費者契約法」の見直しについて
     4-3 参考資料

  資 料5   一般社団法人日本損害保険協会提出資料
     5-1 消費者契約法専門調査会「中間取りまとめ」に関する意見
     5-2 消費者契約法の見直しについて

  資 料6   日本司法書士会連合会提出資料
     6-1 「中間取りまとめ」に対する意見
     6-2 「中間取りまとめ」に対する意見の概要

  参考資料1  消費者契約法専門調査会委員名簿
  参考資料2  消費者契約法専門調査会設置・運営規程
  参考資料3  下部組織の会議運用の在り方に関する申し合わせ
  参考資料4  消費者契約法専門調査会「中間取りまとめ」(平成27年8月)

 

2. 議事内容

一般社団法人全国銀行協会、日本証券業協会、一般社団法人生命保険協会、一般社団法人日本損害保険協会、日本司法書士会連合会の計5団体から、消費者契約法専門調査会「中間取りまとめ」(平成27年8月)に関するヒアリングを行った。

 

3. ヒアリングの主な内容

(1)一般社団法人全国銀行協会

  1. 【契約締結過程/「勧誘」要件の在り方】
  2. ● 事業者との特定の取引を誘引する目的をもってする行為をしたと判断する際の客観的要件は、明確に定め、かつ適用対象となる行為の範囲については、事業者に与える影響等を十分に勘案して慎重に検討されるべきである。
  3. 【契約締結過程/不利益事実の不告知】
  4. ● 類型化して検討すること自体には賛成だが、類型化は、客観的かつ明確な要件により行い、実務に支障が生じるのを避けるべきである。
  5. 【契約締結過程/合理的な判断を行うことができない事情を利用して契約を締結させる類型】
  6. ● 「一般的・平均的な消費者を基準として判断する」規律が消費者契約法で設けられた場合、金融商品取引法上の「適合性の原則」の規律との関係が問題となる。過剰規律にならないか懸念があり、必要以上の規律は個別の業法に委ねるべきである。
  7. 【契約条項/損害賠償額の予定・違約金条項】
  8. ● 規定の見直しに当たっては、事業者に生じる損害や損失の請求が妨げられることにより、消費者への商品・サービスの提供が委縮しないよう、十分に配慮すべきである。例えば、期限前弁済時の清算金は金融機関の利益を補償させるものではなく、金融機関の損失を賠償させるものであることに留意すべきである。

(2)日本証券業協会

  1. 【情報提供義務】
  2. ● 消費者契約全般に一律的に情報提供義務を課すことは、事業者負担の増加に伴う手数料・商品の価格、消費者側の取引コスト増加等といった消費者にとって不利益な事態も想定される。個別の業法等において、必要に応じた措置が行われていること等も勘案し、慎重に検討すべき。
  3. 【「勧誘」要件の在り方】
  4. ● 「勧誘」概念の拡張に伴い、金商法等との整合性を確認する必要がある。なお、広告等にあらゆる重要事実を盛り込むことは実務上困難である。
  5. 【不当勧誘行為に関するその他の類型】
  6. ● 消費者契約全般に一律的に不招請勧誘規制を課すことは、個別の業法との関係の整理を含め、慎重に検討すべきである。

(3)一般社団法人生命保険協会

  1. 【不当勧誘関係】
  2. ● 検討の視点として、どのように対応すれば取消事由に該当しないのか、またそれが実務上対応可能かという観点から、要件を明確化すべきである。
  3. 【不当条項関係】
  4. ● 生命保険約款においては、保険商品の特性に沿った適切かつ合理的な条項を定めていることがあり(例:終身年金保険における給付開始後の解除の制限)、これらが無効とならないよう配慮すべき。

(4)一般社団法人日本損害保険協会

  1. 【情報提供義務/不告知型】
  2. ● 事業者が提供すべき(=不告知が許されない)情報の範囲については、明確かつ客観的に定められる必要がある。かえって消費者の理解を妨げることのないよう限定が必要である。
  3. 【不当条項の類型の追加】
  4. ● 公平かつ健全な保険制度を維持するために、実務上の必要性やモラルハザード(※)防止といった合理的な理由から規定している約款の条項の一部が、形式的にはいわゆる「決定権限付与条項」に該当してしまうことが懸念される。(※)保険金の不正取得を目的とした道徳的危険のこと

(5)日本司法書士会連合会

  1. 【消費者概念の在り方】
  2. ● 現行法の「事業のために契約の当事者となる個人」を「消費者」として法に規定する取消権等の行使主体となるよう規定すべき。
  3. ● 形式上は事業者間契約であっても、法1条にいう格差の存する取引についての準用規定を設けるべき。
  4. 【合理的な判断を行うことができない事情を利用して契約を締結させる類型】
  5. ● いわゆる「消費者公序」規定の創設に賛成する。
  6. ● 取消権については、過量販売の類型に限定しない規定を検討すべきである。例えば、消費者のうち、「高齢者及び障害者」に絞り、客観的要素を「過量販売」に限定しないという考え方もありうる。

 

4. その他

 次回開催予定:平成27年10月23日(金)13時~

以上

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