銀行員30年、弁護士20年
第47回 記録を計画に生かす
弁護士 浜 中 善 彦
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銀行員時代、業務日誌をつけるのは仕事の一部であったが、その記録を後の計画に生かすということは考えもしなかった。しかし、働きながら司法試験受験を志すようになってからは、毎日の計画を立て、記録することが習慣になった。そして気がついたことは、記録をすることはそれ自体に意味があるのではなく、それを将来に生かしてこそ意味があるということであった。気がついてみれば当たり前のことであるが、時間の確保とその有効活用という問題は、働きながら司法試験受験をするようになって初めて実感させられた。そして、記録は単に過去の事実を記録するのが目的ではなく、今後の計画に生かしてこそ意味があるということである。働きながら受験勉強をする場合はもちろん、そうでない場合でも、司法試験のような難関の資格試験を目指す場合は、計画に従って継続的に勉強しなくてはならない。
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私の場合、司法試験受験を始めてからは、択一試験が終了した時点で大まかな計画を立てた。択一終了後論文試験までは、主として、憲、民、刑以外の基本書を中心に勉強し、日曜日は、たいてい、論文答練に通うというのが決まったパターンだった。
年間計画に従って、毎月、各科目別計画を立てて、それに基づいて1週間単位で科目別に計画を立てた。積み残しを作らないようにするため、あまりムリな計画は立てないようにした。そして、必ず記録をとって、前年と比較するなどして、進捗状況の管理をすることにした。それによって、科目別に手薄なところや、重点的にやるべきところが明確になる。
参考までに、合格した年の前年度の択一試験終了後から次の年度の択一試験前日までの、各科目別の毎月の勉強時間の実績を記すと以下のとおりとなっている。
以上