SH4441 「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブック」の概要と直近の更新内容 井上乾介/藤井駿太郎(2023/05/17)

取引法務個人情報保護法

「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブック」の概要と直近の更新内容

アンダーソン・毛利・友常法律事務所[*]

弁護士・カリフォルニア州弁護士 井 上  乾 介

弁護士 藤 井  駿太郎

 

1 はじめに

 経済産業省と総務省は、本年4月25日、「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブック」[1](以下「本ガイドブック」という。)の最新版であるver1.3を公表した[2]。本ガイドブックは、プライバシー問題を経営上の問題として適切に取扱い企業価値の向上につなげる「プライバシーガバナンス」の構築に向けて、民間企業がまず取り組むべきことを取りまとめた参考資料である。

  本稿では、本ガイドブックの概要とver1.3の主な更新内容について紹介する。

 

2 背景と経緯

 

出典:「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.3概要」[3]

 

 本ガイドブックは、EUや米国におけるプライバシーの企業価値への影響の高まりや国内における個人情報保護制度改正等への対応を背景に、2020年8月にver1.0が公表された。その後、2021年のver1.1、2022年のver1.2での具体的な事例の充実や個人情報保護法改正に伴う更新を経て、直近のver1.3では、後述4のとおり、概念整理や諸外国の法令等の情報収集方法の追加、英訳版等の公表などのアップデートがされている。

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(いのうえ・けんすけ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。

(ふじい・しゅんたろう)

弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所名古屋オフィスアソシエイト。2013年中央大学法学部卒業。2015年東京大学法科大学院卒業。2016年弁護士登録(2019年より愛知県弁護士会)。主な業務分野は、IT、個人情報保護法など。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

 


[*] 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

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