内閣府、女性活躍と経済成長の好循環実現に向けた検討会の資料、及び、当該検討会の議論を踏まえた提言を公表
岩田合同法律事務所
弁護士 野 口 大 資
1 はじめに
2023年5月22日、女性活躍と経済成長の好循環実現に向けた検討会(以下「本検討会」という。)の第6回会議が開催された。本検討会は、女性の経済的自立、企業における女性登用の加速化・多様化の向上を通じた経済の発展、スタートアップやDXを重点分野とする成長のための投資・リスキリング等の人への投資に関連した女性起業家の支援や女性デジタル人材育成等の取組の重要性等を踏まえ、女性活躍と経済成長の好循環を実現するための諸政策について幅広く検討するために、経済・金融分野に精通した有識者により構成されるものである。第6回会議では、本検討会におけるこれまでの議論を踏まえ、女性活躍と経済成長の好循環を実現するための方向性や方策について提言案がとりまとめられ、同月31日、「女性活躍と経済成長の好循環の実現に向けて」と題する提言(以下「本提言」という。)が公表された。本稿では、本提言の内容等について紹介する。
2 本提言の内容
本提言は、企業役員に占める女性比率が低いことや女性創業のスタートアップの割合が低いことといった我が国の現状を各種データにより示した上で、女性活躍が進まない背景(構造的要因)として、①固定的性別役割分担意識とアンコンシャス・バイアス、②家事・育児等の無償労働時間の男女間の偏り(時間格差)、③年収の壁など女性の就労意欲をそぐ諸制度、及び④日本型雇用慣行の問題を挙げている。その概要は以下のとおりである。
女性活躍が進まない背景 (構造的要因) |
概 要 | |
① | 固定的性別役割分担意識とアンコンシャス・バイアス |
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② | 家事・育児等の無償労働時間の男女間の偏り(時間格差) |
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③ | 年収の壁など女性の就労意欲をそぐ諸制度 |
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④ | 日本型雇用慣行の問題 |
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(のぐち・だいすけ)
岩田合同法律事務所アソシエイト。2016年大阪大学法学部卒業。2018年東京大学法科大学院修了。2019年弁護士登録。会社法等を中心としたコーポレート分野、株主総会対応、第三者委員会による不正調査等の企業法務全般を取り扱う。
岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/
<事務所概要>
1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。
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内閣府、女性活躍と経済成長の好循環実現に向けた検討会(第6回)資料〔取引所規則においてプライム市場上場企業は2030年までに女性役員の比率を30%以上、2025年を目途に女性役員を1名以上選任するように努めるべきとの規定を設けるよう提言〕
https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/kouzyunkan/6th/index.html