文化庁、著作物等のライセンス契約に係る制度の在り方に関する
ワーキングチーム(第2回)を開催
岩田合同法律事務所
弁護士 齋 藤 弘 樹
令和元年11月8日、文化庁の文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会の著作物等のライセンス契約に係る制度の在り方に関するワーキングチーム(以下「本ワーキングチーム」という。)の第2回会議が開催された。
本ワーキングチームは令和元年8月9日に、①独占的ライセンスの対抗制度の導入及び②独占的ライセンシーに対し差止請求権を付与する制度の導入を検討課題として設置されてものであり、同月27日に第1回会議が開催されている。
以下、まず上記①②の問題の所在について説明した上で、本ワーキングチームの第2回会議における議論状況について解説する。
1 独占的ライセンスの対抗制度について
現在の著作権法では、著作物の利用許諾契約(ライセンス契約)における利用者(ライセンシー)は、著作権が第三者に譲渡された場合、著作権の譲受人に対し、当該利用許諾に係る著作物を利用する権利(著作物を利用許諾に係る利用方法及び利用条件に従って利用することができる権利)を対抗する手段がない。また、ライセンサーが破産・倒産し、破産手続等の開始時にライセンス契約が双方未履行の場合には、対抗要件を備えられないため、ライセンシーは破産管財人等から契約を解除されるおそれがある。したがって、ライセンスの対象となる著作物の利用継続ができなくなるおそれがあり、ライセンシーの地位は不安定な状況下にあると考えられている。
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