SH4616 東証、「従属上場会社における少数株主保護の在り方等に関する研究会」第2期第4回会合 佐々木智生(2023/09/04)

組織法務経営・コーポレートガバナンス

東証、「従属上場会社における少数株主保護の在り方等に関する研究会」第2期第4回会合

岩田合同法律事務所

弁護士 佐々木 智 生

 

1 はじめに

 東京証券取引所(以下「東証」という。)は、2023年8月21日、「従属上場会社における少数株主保護の在り方等に関する研究会」(以下「本研究会」という。)第2期第4回会合(以下「本会合」という。)を開催した。

 本研究会は、実質的な支配力を持つ株主(以下「支配株主」という。)を有する上場会社を巡る最近の事例が示唆する問題点、支配株主とこれを有する上場会社の少数株主との間の利害調整の在り方、少数株主保護の枠組み等について議論を行うために、東証が2019年12月に設置したものであり、本研究会は、2020年9月、課題の所在やそれを踏まえた少数株主保護の枠組みの在り方について「中間整理」を公表した。その後、コーポレートガバナンス・コードの改訂や、法定開示における議論の進捗もあり、東証以外における少数株主保護の議論・検討が一定程度なされたことから、2023年1月6日以降、「第2期」として本研究会での議論を再開し、今回が「第2期」として4回目の会合にあたる。

 

2 本会合の議論の概要

 以下では、東証上場部が本会合の配布資料として作成した東証説明資料[1](以下、単に「東証説明資料」という。)に基づき、本会合時点における検討状況を紹介する。

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(ささき・ともお)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2014年一橋大学法学部卒業。2016年弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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