SH4625 「eシールに係る検討会」の初会合が開かれる ――国による認定制度創設を視野に「論点」「議論が必要な事項」提示、年度内に最終取りまとめへ (2023/09/13)

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「eシールに係る検討会」の初会合が開かれる
――国による認定制度創設を視野に「論点」「議論が必要な事項」提示、年度内に最終取りまとめへ――

 

 総務省は9月6日、eシールに係る検討会(事務局・サイバーセキュリティ統括官室)の初会合を開催した。今年度内となる2024年3月中の最終取りまとめが予定されている。

 eシールについては「eシールに係る指針」(総務省・2021年6月25日)が「電子文書等の発行元の組織等を示す目的で行われる暗号化等の措置であり、当該措置が行われて以降当該文書等が改ざんされていないことを確認する仕組み」と定義(指針4頁)。「暗号化等の措置が行われて以降当該文書等が改ざんされていないことを確認する」点において共通する他のトラストサービス「電子署名」と “技術的には同じ” とされる(サイバーセキュリティタスクフォース事務局「eシールに係る取組について」(サイバーセキュリティタスクフォース6月29日開催・第44回会合資料44−1)2頁など)。

 ただし「eシールは……発行元を証明する機能を果たす一方、電子署名は本人が電子文書を作成したこと、そして、当該電子文書に示された意思表示が当該本人によるものであることを証明する機能を果たす」とされ、その用途としても、電子署名が「署名者の意思表示の証明であるため、例えば、電子契約や電子申請等の自然人としての意思表示が必要とされる用途に利用されている」のに対し、eシールは「発行元証明にとどまり、例えば、請求書や領収書、見積書、その他各種証明書等の自然人としての意思表示は不要な、組織等が発行する電子文書等に利用されることが想定される」ものである(以上、上記指針5頁)。電子署名については、電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号。いわゆる電子署名法、2001年4月1日施行)により定義・認定制度などの法制化がなされている。

 eシールについて政府ではこれまでに、プラットフォームサービス検討会「トラストサービス検討ワーキンググループ」(総務省・2019年1月31日初会合開催)、「組織が発行するデータの信頼性を確保する制度に関する検討会」(総務省・2020年4月20日初会合開催)、データ戦略推進ワーキンググループ「トラストを確保したDX推進サブワーキンググループ」(デジタル庁・2021年11月18日初会合開催。2022年7月29日「トラストを確保したDX推進サブワーキンググループ報告書」公表)といった会議体で検討を継続してきた。近時「eシールに関する調査研究」が実施、これにより利用者ニーズの高まりや事業者の動向を把握したとされる(以上、サイバーセキュリティタスクフォース事務局「トラストサービスの普及に関する取組状況」(サイバーセキュリティタスクフォース4月28日開催・第43回会合資料43−1−3)4頁など)。今年4月12日には「我が国におけるeシールサービスの状況等に関する情報提供依頼」がサイバーセキュリティ統括官室からなされた(提供依頼期間は4月13日から5月12日まで)。

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総務省、eシールに係る検討会(第1回)資料
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/e_seal/02cyber01_04000001_00251.html

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