中国:対抗の時代(上)
――中国の半導体原材料及びドローン等の輸出制限の法的影響と対応策――
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 鹿 はせる
弁護士 近 藤 亮 作
1 はじめに
2023年7月3日に、中国商務部等2部門は、半導体、通信、電気自動車産業の原材料となる金属であるガリウムとゲルマニウム及びそれらの関連化合物の輸出を制限することを公表し、8月1日から施行されることとなった(以下「半導体等原材料輸出規制」という。)。また、7月31日には、中国商務部等4部門が、特定スペックを満たすドローン及び関連機器の輸出を規制すると公表し、9月1日から施行されることとなっている(以下「ドローン等輸出規制」という。)。本稿では、同措置の概要、WTOルールとの関係及び日本企業に及ぼす影響と対応策について考察する。
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(ろく・はせる)
長島・大野・常松法律事務所東京オフィスパートナー。2006年東京大学法学部卒業。2008年東京大学法科大学院修了。2017年コロンビア大学ロースクール卒業(LL.M.)。2018年から2019年まで中国大手法律事務所の中倫法律事務所(北京)に駐在。M&A等のコーポレート業務、競争法業務の他、在中日系企業の企業法務全般及び中国企業の対日投資に関する法務サポートを行なっている。
(こんどう・りょうさく)
法律事務所にてコーポレート・紛争処理業務等に携わった後、2017年より外務省経済局国際貿易課勤務、2020年より在ジュネーブ国際機関日本政府代表部での外交官としての勤務を経て、現職。専門の国際通商法を世界事業戦略、コンプライアンスや紛争解決に生かしながら、投資協定仲裁などの国際紛争処理事案にも関わる。
長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/
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