SH4951 ベトナム:新土地法が外国投資家に与える影響(上) 澤山啓伍(2024/05/28)

取引法務不動産法

ベトナム:新土地法が外国投資家に与える影響(上)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 澤 山 啓 伍

 

1 はじめに

 ベトナム国会は、2024年1月18日、ベトナムでの土地の利用権に関する規律を定める土地法を約10年ぶりに全面改訂する新たな土地法(以下「新法」という。)を公布した。社会主義国であるベトナムにおいては、憲法上全ての土地は全人民のものであるとされ、私人による土地の所有は認められていない。代わりに、ベトナムにおける個人及び企業による土地の利用は、国から与えられる土地使用権に基づいて行われる。このような根本的な制度の違いから、我々日本人にとってはベトナムの土地制度はなかなか理解しづらい部分がある一方、不動産開発案件のみならず、製造業や小売業などにおいても、ベトナムで事業を行うには土地の利用が不可欠であり、その制度を理解した上で事業に取り組むことが重要となる。

 土地法は1987年に初めて制定され、それ以来ほぼ10年に一回全面改訂されてきた。今回の新法制定も定期的な法律の見直し計画に沿ったもので、これまでの土地利用制度の根本を大きく変えるものではなく、この10年間の社会変化に適合するよう制度の一部見直しを図ったものである。本稿では、現行法からの主要な変更内容のうち、外資企業にとって特に重要と思われる以下の点を中心に取り上げる。

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(さわやま・けいご)

2004年 東京大学法学部卒業。 2005年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。 2011年 Harvard Law School卒業(LL.M.)。 2011年~2014年3月 アレンズ法律事務所ハノイオフィスに出向。 2014年5月~2015年3月 長島・大野・常松法律事務所 シンガポール・オフィス勤務 2015年4月~ 長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス代表。

現在はベトナム・ハノイを拠点とし、ベトナム・フィリピンを中心とする東南アジア各国への日系企業の事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。

 

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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