「民間事業者向け カメラと個人情報保護法」(パンフレット)の
公表
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士・カリフォルニア州弁護士 井 上 乾 介
弁護士 膝 舘 朗 人
1 はじめに
個人情報保護委員会は2023年12月、「民間事業者向け カメラと個人情報保護法」と題するパンフレット(以下「本パンフレット」という。)を公表した[1]。
本パンフレットは、カメラ(従来型防犯カメラ[2]および顔識別機能付きカメラシステム[3]をいう。)を犯罪予防や防犯目的で利用するに当たって個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という。)の遵守のために講じるべき措置や留意点等をパンフレット形式でまとめたものである。
また、個人情報保護委員会は、本パンフレットを関連する資料と合わせて掲載したウェブページを開設しており(以下「本ウェブページ」という。)[4]、本ウェブページでは、本パンフレット以外の広報資料[5]のほか、個人情報保護委員会が過去に公表した顔識別機能付きカメラシステムの利用に関する複数の資料[6]へのリンクを掲載している。
以下、本稿では顔識別機能付きカメラシステムに関する個人情報保護法上の議論を概観した上で、本パンフレットの内容を紹介する。
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(いのうえ・けんすけ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。
(ひざたて・あきと)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。東京大学法学部卒業。2022年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
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* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用