SH4945 経済産業省、事業会社からのスタートアップ創出を促すための「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」を公表 松本拓/香川遼太郎(2024/05/24)

組織法務経営・コーポレートガバナンス

経済産業省、事業会社からのスタートアップ創出を促すための「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」を公表

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 松 本   拓

弁護士 香 川 遼太郎

 

1 はじめに

 経済産業省は、2024年4月26日、スタートアップ創出のためのカーブアウトに関する初のガイダンスである「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」[1](以下「本ガイダンス」という。)を公表した。

 本ガイダンスは、2024年1月15日より全6回にわたって開催された「研究開発成果を活用した事業創造の手法としてのカーブアウトの戦略的活用に係る研究会」(以下「本研究会」)の取りまとめである。

 本研究会では、スタートアップ創出型のカーブアウトを概念化し、その戦略的な活用および実践的なカーブアウトの手法を提示することを目的として議論がなされてきた。これは、事業会社による研究開発の成果のうち、一定の事業性が見込まれる開発以外は、経営資源が追加的に投下されず、結果として事業会社内での事業化に至らない傾向にあるとの問題意識に基づいている。本研究会は、そのような社内の経営資源等のみでは事業化できない技術を、アウトバンド型のオープンイノベーションを活用して事業化する手法について関心が高まっていることに着目し、具体的な手法として、スタートアップ創出型のカーブアウトに焦点が当てられた。

 本稿では、特に当職らが企業法務への影響が大きいと考える、事業会社からみた「起業家主導型カーブアウト」について概説する。

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(まつもと・たく)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー(弁護士・ニューヨーク州弁護士)。主要な業務分野は,①M&A・投資,②経済安全保障・通商,③アウトバウンド・インバウンド,④スタートアップ法務・投資,⑤ウェルス・マネジメント及び⑥競争法関連。2012年インドネシアのSSEK法律事務所勤務,2016年コロンビア大学・ロースクール(LLM)修了,2016年~2017年米国のSeward & Kissel法律事務所勤務。https://www.amt-law.com/professionals/profile/TUM

 

(かがわ・りょうたろう)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。執筆として「非化石証書の制度と実務」NBL1253号(2023)等。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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