SH4800 「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」およびQ&Aの改定の公表 藤田将貴/島田充生(2024/02/07)

取引法務倒産・事業再生

「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」
およびQ&Aの改定の公表

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 藤 田 将 貴

弁護士 島 田 充 生

 

1 はじめに

 「中小企業の事業再生等に関する研究会」は、2024年1月17日付で、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)およびQ&A(以下「Q&A」という。)の改定を公表した[1]

 改定版のガイドラインおよびQ&Aは、2024年4月1日から適用されるが、適用開始日前であっても、個別事案における関係者(債務者および対象債権者全員)の合意があれば、改定版のガイドラインおよびQ&Aを利用することができる。

 

2 改定の背景

 今般の改定は、2022年4月のガイドライン適用開始以降の中小企業の事業再構築支援のニーズの高まり等を踏まえ、事業再生における関係者の平時からの一層の連携等を促すほか、利用実績を踏まえた運用面における改善や明確化、併せてガイドラインを活用した事業再生の担い手の育成・拡充のための運用規定の改定等を目的としたものである。

 

3 改定の内容

 主要な改定内容は本記事末尾の別表のとおりであるが[2]、その中でも特に重要と考えられるものは以下のとおりである。

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(ふじた・まさき)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2003年早稲田大学法学部卒業。2006年京都大学法科大学院修了。2007年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年University of California, Berkeley(LLM)修了。2017年ニューヨーク州弁護士登録。大手総合商社法務部への出向経験を有する。事業再生分野、経済安全保障・通商(米国・英国・EUの経済制裁及び貿易管理を含む)、M&Aを中心に取り扱う。主な著書・論文:『ケースでわかる実践「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」』(共著)(中央経済社、2022)、「金融庁、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」等の一部改正(案)の公表」(共著)(商事法務ポータル、2023)、「廃業時における経営者保証に関するガイドラインの基本的考え方の改定について」(共著)(商事法務ポータル、2023)、『英文M&Aドラフティングの基礎』(共著)(金融財政事情研究会、2023)、「外資系企業の日本からの撤退が問題となる事案における実務上の留意点」(共著)事業再生と債権管理2022年7月号、「Restructuring and insolvency in Japan: Overview」(共著)(Practical Law – A Thomson Reuters Legal Solution、2021)、「米国の経済制裁の基礎知識と実務対応のポイント」(Business Lawyers(ウェブサイト)、2022)、「米国による懸念国向け半導体関連輸出規制の強化」(商事法務ポータル、2023)ほか多数。

 

(しまだ・みつお)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2010年京都大学法学部卒業。2012年京都大学法科大学院修。2013年弁護士登録(東京弁護士会)。2019年英国ロンドン大学クイーン・メアリー校ロースクール修了(LL.M.)。2020年香港のMaples and Calder勤務。2022年英国(イングランドおよびウェールズ)事務弁護士登録。主な著書・論文:「Restructuring & Insolvency Laws & Regulations Japan 2023」(共著)(International Comparative Legal Guide – Restructuring & Insolvency 2023)、『ケースでわかる実践「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」』(共著)(中央経済社、2022)、「講座 現代の契約法 各論1」(共著)(青林書院、2019)、「M&A実務の基礎〔第2版〕」(共著)(商事法務、2018)ほか多数。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

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〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング


* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

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